期待膨らむグアルディオラ体制での2年目、
マンチェスター・シティは最高のスタートを切って見せている。
10節を終了した時点で9勝1分けの勝ち点28、
更には35得点6失点で得失点差+29はプレミアの新記録だ。
期待以上の出来を見せていると言っていいだろう、
試合を通して主導権を握られる事は全くなく、
内容の伴った最高の結果を出し続けている。
新戦力も瞬く間にフィットし、GKエデルソンを筆頭に
ウォーカー、メンディらは戦力の中核を成している。
(残念ながらメンディは年内絶望の離脱となってしまったが)
G.ジェズスとアグエロが2トップを組み新境地を見せ、
昨季終盤からポテンシャルを発揮しはじめたザネは特大のインパクトを残している。
戦術の浸透は控えを務める選手にまで徹底されており、
長期離脱となったメンディの穴は中盤が本職のデルフが完璧に埋めた。
かねてよりチームの主軸を担ってきたシルバとデ・ブライネの
充実ぶりも頼もしい限りで、シティ躍進の一翼を担っている。
若手とベテランが見事に融合している現在のシティは見事と言う他なく、
選手の質の高いローテーションが可能な点でも称賛に値する。
欠点を強いて挙げるとすればCBの脆さぐらいで、
かねてより指摘されたストライカー不足による得点力の低下は
ザネ、スターリングら若手ウイングの台頭により解決に向かっている。
今のグアルディオラがチームに対してどのように考えているかは不明だが、
ここまで素晴らしい結果を残せた事に安堵している事は間違いない。
プレミアリーグ制覇に懸念は少なく、
CLでも3戦全勝で決勝トーナメント行きはほぼ確実。
稀代の名将と、そして彼を心から信頼するフロントの努力が実を結んでいる。
特に新加入の選手が瞬く間にフィットした点が大きいだろう。
昨季のシティの弱みであったサイドバックはむしろ強みとなり、
GKエデルソンが期待以上のパフォーマンスを見せた事で守備も安定した。
若手ながら強烈なパーソナリティーを示すエデルソンによって
CBのストーンズやオタメンディらの奮起を促すなど、良い化学反応も起こしている。
ベルナルド・シウバは先発の機会こそ安定して得られていないものの
出場すればその才能の片鱗を見せており、シーズンが深まるにつれ
彼の重要性は上がっていくはずだ。
安定した成績を収めているシティにおいて
調子を崩す要因は負傷離脱くらいなもの。
今夏補強を見送ったCB、そしてGKエデルソンの離脱に関しては
チーム全体に影響を及ぼす為不安なポジションには挙げられる。
ここまで大きくは崩れていないオタメンディ、ストーンズらCBだが
未だに連動した守備は完成できておらず、
単独で打開されピンチを招くシーンも少なくない。
フィジカルでシンプルに押し込まれると脆さも露呈していて、
今後ギリギリの試合における踏ん張りは彼らの出来次第と言えるだろう。
エデルソンの後釜を務めているブラーボは未だに自信を取り戻せておらず、
実質的にエデルソンの控えはいないという状況。
冬の移籍市場の争点はその2つのポジションに絞られるであろうが、
CBに関してはコンパニの状態によっては見送られる可能性が高い。
FFPへの抵触の恐れもある以上、派手には動かず継続路線を貫くか。
チームの質を維持しつつ、余剰戦力となりつつあるY.トゥーレや
マンガラなどを売却できれば、といったところだろう。
未だシーズンは始まって3ヵ月あまり。
まだ大勢が決まったわけでも何でもないが、
現時点でシティが見せているフットボールは非常に魅力的だ。
そんな彼らが、どれだけ高みに昇れるのか興味深い。
昨季CLでも躍進を遂げた彼らが、どこまで欧州も席巻できるか見ものだ。
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Matthew |