「チームやスタッフは彼の為に全てを捧げてきたし、
常に彼と共にいたはずだ。
がっかりしているし、怒りすら感じるよ。」
そう、指揮官は記者会見のインタビューで語った。
チームの顔とも言うべき活躍を果たしてきたディミトリ・パイェ。
昨夏にはEUROの活躍もありレアル・マドリーへの移籍も取り沙汰されたが、
大型補強でプレミア制覇を目指すチームに残留する事を決断。
しかし開幕してみればチームは不調を極め一時は降格圏近くに。
負傷しながらもチームの為結果を残してきたパイェだったが、
彼の心は既にウエストハムから離れてしまっているようだ。
彼自身移籍を匂わす発言を重ね、
チームへの不満と古巣マルセイユへの想いを隠さないパイェ。
それを受け今冬、マルセイユは移籍金2ooo万ポンド(約28億円)の
正式オファーを送るも、金額が足りないとしウエストハム側が却下。
この判断が、パイェがクラブへの不信感を爆発させてしまった。
パイェはフロントに対し練習の参加、及び試合の出場を拒否。
14日クリスタル・パレス戦は欠場し、未だトレーニングには参加していない模様。
指揮官ビリッチもインタビューで、
「彼に電話をしたが、チームの為にプレーしたくないと言われた。」
と語るほどパイェの意思は固く、最早チームの一員とは言えない状況に。
他の選手への示しもあるが、それでもウエストハム会長を始め
フロント側に売却の意思は無く、額に見合ったオファーのみ受けるとコメント。
マルセイユ側はパイェの対応もあり、2500万ポンドへ移籍金を上げ、
再度オファーを送っている。
練習と試合の拒否___選手としてこれ以上ない強硬的な姿勢を打ち出し、
クラブへの反旗を翻したパイェ。
マルセイユから加入した時の移籍金は約1070万ポンド。
既にマルセイユの提示額は彼らからすれば「温情」を大きく感じる額だが、
財政面でも厳しいマルセイユ側は粘り強く交渉する構えのつもりだ。
が、それでも移籍の可能性が低く見られてしまうのは、
このような状況でもなお、ウエストハム側には売却の意思がないからだ。
共同チェアマンを務めるデイヴィッド・サリヴァン氏は
「(パイェの市場価格に関して)最低でも1億ポンドだ。
つまり、彼は売り物ではない、という事だね。
誰かが移籍金の世界レコードを上回る額を提示してくれれば考えるが。」
と頑なに売却の意思を否定。
まさに泥沼の状況であり、クラブ側はパイェの姿勢を批判しつつ、
主力を安く売るつもりは毛頭ないようだ。
先に折れるのがパイェかウエストハム側なのか、
はたまたマルセイユ側なのかは分からないが、
正直辟易してしまうような状況であるのは確か。
フェグーリ、トレら昨夏の補強が上手く機能していない状況もあり、
一番頭を抱えているのがビリッチ指揮官かもしれない。
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Matthew |