チェルシーは今、間違いなく苦しんでいる。
ホームでボーンマスに0-3の完敗を喫し、
立て直しを図ったアウェイのワトフォードには1-4の惨敗。
既に首位シティとは20ポイント以上の差が開いており、
事実上の優勝戦線からの脱落を意味している。
失われた選手のモチベーション
2試合を通じて最大の問題に挙げられるのが、
選手達のモチベーションの欠如である。
その要因がボーンマス戦での完敗で自信を失ってしまったからなのか、
選手やフロントと度々衝突している指揮官コンテへの背信からなのかは不明だが、
今のブルーズのに心からチームの為に戦う覚悟を持つ選手は乏しい。
ピッチ上で最後まで仲間を鼓舞し、戦う姿勢を貫くアスピリクエタの姿も虚しく、
失われてしまったモチベーションを取り戻す術は、未だ誰も見つけられていない。
本来アントニオ・コンテという男は優れたモチベーターでもあり、
ユヴェントスに勝利のメンタリティを取り戻させた張本人である。
劣勢でもしぶとく戦い続けるイタリア代表でも手腕を発揮したように、
彼のモチベーターとしての能力に疑いの余地はないはずだ。
そのコンテですら、最早選手達のメンタリティをコントロールする事は
難しい状況なのかもしれない。
CLでは宿敵バルセロナとの対戦が控えている。
チェルシーも、コンテも因縁を抱える相手となるが、
指揮官は自身のチーム内とも戦う必要に駆られるだろう。
オリヴィエ・ジルーは救世主たりうるのか
ライバルのアーセナルで不遇の時間を過ごしやってきたジルー。
代表では定位置を築いているだけに、
W杯出場を見据えての移籍である事は誰の目にも明らかな事。
その類稀なポストプレーとシュート技術の高さは折り紙つきだが、
ビッグクラブのエースを張るには継続性と安定感に不安が残る。
ともあれジルーに求められるのはエースであるモラタの負担軽減であり、
そういった意味では理想的な人選とも言えるだろう。
技術と経験に文句はなく、バチュアイと比較すれば、
彼の獲得に踏み切った判断は間違っていないと捉えるべきだ。
が、運の悪い事はチーム内の状況は今季最悪のレベルにある。
このチームの流れを変えられるだけの活躍を彼が見せてくれる可能性はあるが、
それでも難しいミッションになるだろう。
命運を握るのはバルセロナとの大一番
チェルシーのフロント側がコンテとの長期契約を望んでいるとは思えない。
既に後釜をリストアップし、現実的なプランを模索しているはずだ。
最早フロントとの確執を否定しない（できない）ほど、
コンテ監督とクラブ首脳陣の立場関係は微妙になっている。
そんな状況下で、CLでも敗退ともなれば解任に踏み切ってもおかしくはない。
後任が定まらないまま、その首を挿げ替えても不思議ではなく、
その判断はアブラモビッチが握っている。
幸いフリーの実力ある監督候補達はそろっており、
アンチェロッティの再就任、L・エンリケやトゥヘルなど
人材には事書かない状況である事も、解任報道に現実味を帯びさせる一因に。
兎にも角にも、バルセロナとの試合で無様な結果に終わってしまえば、
チェルシー指揮官の椅子はコンテ以外の誰かのものになるはずだ。
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Matthew |
