彼は立場を失ってしまった。
ウェイン・ルーニーは10年以上にも渡り
プレミア、そしてイングランド代表を牽引してきた選手の一人で、
彼のクオリティーで試合を決めてしまう事も多かった。
しかし、ここ数シーズンの彼は
本来のストライカーとしての役割以上に、
中盤の選手としての貢献が必要とされ、またそれに応えてきた。
「何でもできる」からこその使われ方ではあるが、
ゴールから遠いエリアでの仕事が増える事で、
彼自身が強みにしていた”ゴールへの嗅覚”は失われてしまった。
EURO2016でも不本意なパフォーマンスに終始し、
代表キャリアで傷をつけてしまっているルーニー。
ダイアー、デレ・アリ、ラッシュフォードなど若手の台頭もあり
彼自身への期待はこれまでとは違ってきている。
(正直に言えば、期待しなくなってしまったともい言えるが)
EUROに続き、今季はクラブでも存在感を発揮できていない。
体は重く、動きに以前のようなキレは見られない。
決定的なパスを供給することも、無慈悲なミドルを放つ事もない。
”悪童”はいつしか”大人”になってしまった。
そんなルーニーを見るのは残念だし、
そう思うのは決してユナイテッドファンだけではないはずだ。
クラブ、代表で世代交代に迫られているのは確かだが、
それだけに彼のように実績あるベテランは重要で、
チームに求められる貢献は変わらない。
”これから”、なのだ。
彼のキャリアはまだ終わっていないのだから。
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Matthew |