エバートン 1
35′ ルカク
クリスタル・パレス 1
50′ ベンテケ
第6節の時点でエバートンは3位の好位置。
新指揮官と新加入選手がフィットし、攻守に躍動感を感じる。
昨季は残留争いに巻き込まれながらも7位と好調のパレス。
パーデュー監督の指揮の下、現実的な戦いをしつつ、
しっかりと結果を残してきている。
エバートンからすれば優勝を目指す上でも負けられない一戦。
パレスからすれば上位進出を狙いたい以上重要な試合。
お互い代表ウィークに入る前にチームを勢いづけたい所。
しかし結果としては、勝ち点1を両チーム分ける形となった。
前半に主導権を握ったのはエバートンで、
機動力を活かしたパスワークとサイドアタックで
チャンスを作り続けた。
パレスはエバートンの攻撃に対して後手を踏み、幾度となくファウル。
そしてファウルから得たFKを沈めたのは、ルカクだった。
バークリーらを差し置いてキッカーを務めたルカク。
ボールは見事な軌道を描いてゴールに吸い込まれたが、
今後ルカクがFKのキッカーとしてもゴールを量産するような事になれば、
今季の得点王はより現実的なものとなるはずだ。
エバートンは攻守においてダイナミズムに溢れ、
好調を象徴するかのような内容であった。
前半終了が近づく中もリズムを握り、
時間の使い方さえ巧さを感じたエバートン。
後半もこのまま行くかと思われたが、
エバートンはハーフタイムを挟んで一変する。
後半のエバートンに、前半のような躍動感は無かった。
局面局面での1対1に競り負け、パレスがチャンスを作る。
ボールを持っても推進力がなく、
前線の選手のオフザボールは目に見えて消極的だった。
まるで「勝った」と慢心したかのようにさえ思える程に。
そんな隙をパレスが見逃すはずもなく、
アーリークロスからベンテケが見事なヘディング。
今季大きな期待を以て入団したベンテケが、結果で応えて見せた。
失点してから流石にエバートンもギアを上げ始めるも、
攻守における連動性に欠けてしまい追加点は奪えず。
ハーフタイムで失ってしまったチームの推進力は、
最後まで取り戻すことができなかった。
パレスは追加点こそ奪えなかったものの、
自分たちがペースを握れば結果を出せる事を証明。
前半の出来もあり課題は残るものの、自信を深めたはずだ。
確かに結果は引き分けで、
両チームに与えられた勝ち点も同じ1。
しかしエバートンからすれば勝ち点2を失った試合だ。
(前半の出来からすれば、そう断言していい)
パレスはより自身のスタイルを明確にできた試合だったろうし、
エバートンは「ふとした瞬間に失点する」という悪癖をまたも露呈。
集中力の欠如は開幕前からの懸念だったものの、
未だ根本的な解決がなされていない事を示してしまった。
その意味でも、この試合の引き分けは
両者において重要な意味合いを持つだろう。
もしかしたら、今季のエバートン、パレスの分岐点となるかもしれない。
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Matthew |