今季のセスクは難しい状況にある。
コンテ新指揮官は中盤にカンテ、マティッチ、オスカルを起用。
このトライングルが不動で、スタートはほぼ固定。
試合の状況に合わせてセスクが投入されるパターンが定番だ。
優勝の原動力となった14-15シーズンから、
セスクはチェルシーの欠かせない選手となっていた。
しかし昨季はコンディション調整に苦しみ結果を残せず。
チームの成績不振の大きな要因とさえ批判された。
今夏には移籍も噂されたものの、残留を決断。
EUROでの早期敗退もあり、活躍を誓っての今季だった。
結論から言えば、彼は絶対に必要な戦力だ。
距離を問わないパスは魅力的で、
ゲームメイクを担う司令塔としては申し分ない。
経験も豊富で判断に優れており、セットプレーも得意。
ではなぜ、彼が先発で起用されないのか。
それはコンテ自身が「バランス」を重視する監督であり、
中盤での攻撃/守備をこなせるマルチロールを好むからだろう。
カンテ、マティッチ、オスカル。
これら3選手はそれぞれ攻撃or守備に特徴をもつものの、
それぞれ高いレベルでその両面で貢献できる選手だ。
彼らに比べればセスクは機動力に乏しく、
中盤での激しいプレスを軸とするならば先発起用は難しい。
さらに彼は既に29歳とピークを迎えており、
これからプレースタイルを変えるのは現実的ではない。
だからこその、後半途中からの起用に留まっているのではないか。
だが、これからもこの起用法が続くとは思えない。
今はコンテがチームに戦術を植え付けている真っ最中であり、
その完成度が高まればより幅広い選手起用が可能になるはず。
セスクのゲームメイク能力が必要となる試合は多いだろう。
現に、彼は途中出場でも決定的な仕事を連発しており、
ウエストハム戦のロングスルーパス、
先日のスワンズ戦で同点の起点となったロングパスは顕著な例だ。
少ない時間でも仕事をする彼だからこそ、
先発起用を求める声が高まるのは自然な事だ。
それだけに、早いうちにチームに戦術を浸透させ、
ベンチに座る機会の多い選手にも機会を与えていきたい所。
リーグでは未だ無敗と結果も残している。
今後ビッグマッチで勝利を重ね、自信を深めたとき、
セスクの姿は必ずピッチにあるはずだ。
それだけのクオリティーが、彼にはある。
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Matthew |