プレミアリーグ第2節、アウェイのワトフォード戦。
チェルシーは先制されながらも、試合終盤に
頼れるストライカー2人によって劇的な勝利を挙げた。
前節のウエストハム戦に続き、チームの頼れるエースは
土壇場で大仕事をやってのけた。
チェルシーは徹底的に自陣スペースを消すワトフォードに苦戦し、
攻めあぐねた結果背後のスペースを活用されチャンスを作られる。
前半はスコアレスドローで終えたものの、
シンプルに連動して崩すワトフォード優勢は明らかだった。
チェルシーはゲームの主導権を握りながらもアイデアに欠け、
アタッカーはいてもチャンスメイカーが不在だった。
後半開始直後にとうとう、ワトフォードに先制されてしまう。
だがそれが結果として、チェルシーの目を覚めさせた。
”恐れず前に進め”とコンテが送り出したモーゼス、バチュアイ。
その2人を中心にチームの推進力が増し、
プレーエリアがより相手PA付近になりはじめたのだ。
そしてワトフォードが守備にエネルギーに費やし、
明確に守備組織の構築に入った瞬間、最後のカードである
セスクが投入された。
そして彼はこの試合チェルシーに欠けていたまさに創造主だった。
ボールを受ければリズムを作り、
サイドチェンジ、楔、スルーパス、そしてライン裏へのタッチダウン。
彼を経由されたボールは悉くチャンスに繋がっていった。
そしてセスクが右サイドでフリーのアザールに展開し、強烈なミドル。
こぼれ球をバチュアイが押込み、同点ゴールを決めた。
サイドと中央をリズムよくボールが動き、
一昨季前のような、魅力的なフットボールがそこにはあった。
同点になった瞬間、コンテは選手にすぐ自陣に戻るよう促した。
「まだ10分ある。勝てる。」と、メッセージを発したのだ。
そしてその言葉を受け取ったチェルシーは更に前へ前へと進む。
87分、自陣PA前でボールをカットしたセスクは瞬時にロングパス。
敵DFの間をすり抜けたフィードは、抜け出したD.コスタの下へ。
ほんの一瞬だった。
ワトフォードDFは2人でコスタをマーキングしていたし、
セスクがカットした位置は自陣の深い場所だった。
しかしそれでも、この2人が仕事をするには十分だった。
GKとの一対一を冷静に沈めたコスタは、咆哮した。
その後も手を緩めず、バチュアイがクロスバー直撃弾などを見せる。
まさにコンテが会見で話していた、「前へ進むチーム」を体現した。
難しい状況でも、チェルシーは結果を出した。
今季のブルーズは、昨季と明らかに違うと言っていい。
昨季にはなかった”情熱”を感じずにはいられない。
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Matthew |