アーセナル 3
31′ ウォルコット
64′ チェンバレン
75′ チェンバーズ
リヴァプール 4
45’+1 コウチーニョ
49′ ララーナ
56′ コウチーニョ
63′ マネ
プレミア開幕戦から屈指の好カードが実現。
今夏、積極的な補強で戦力値を上昇させたリヴァプール、
対してアーセナルは交渉がまとまらず、批判を浴びている。
そんな中両チーム共に新加入選手が先発、
アーセナルはCBホールディング、
リヴァプールはCBクラバンをはじめ、
MFワイナルドゥム、マネと3人が名を連ねた。
結果から言えば、リヴァプールの新加入選手が躍動し、
壮絶な打ち合いを制する原動力となった。
なおアーセナルはエジル、ジルーが欠場、
リヴァプールはストゥーリッジ、カリウスが欠場した。
試合序盤から両者共に中盤で激しくぶつかる。
ホームのアーセナルはリヴァプールのビルドアップ潰しを、
リヴァプールはショートカウンターを狙ってのプレスだった。
アーセナルのプレスはセンターライン付近であるのに対し、
リヴァプールは両SBやエルネニーなど、
ピンポイントなエリアでのプレッシングを用いた。
28分にはウォルコットがPKを得るも失敗。
意気消沈するガナーズだったが、直後の30分に先制。
先制点を決めたのはPKを失敗したウォルコットだった。
ここでアーセナルはゲーム支配を高め、
プレスを掻い潜っては効果的なチャンスを創出していた。
が、前半終了間際、コウチーニョが決めた見事な同点FKが、
この試合における雰囲気を完全に変えてしまった。
1-1で始まった後半、アグレッシブに動いたのは
アウェイのリヴァプールだった。
49分、左サイドのフリックから抜け出したワイナルドゥムが
中央へ折り返し、ララーナが1-2とする逆転ゴールを決める。
DFラインをコンパクトに固めるアーセナルの僅かなスペースを突いた。
とにかく同点弾が欲しいアーセナルはハイプレスを敢行、
相手DFラインに複数人による連動したプレスを仕掛けるも、
その反動としてコンパクトに保たれていた守備ブロックが広がり、
クロップのお家芸のショートカウンターを正面から受け始める。
そして何より、ここからのリヴァプールが昨季とは違った。
相手のプレスを冷静にいなし、ピッチの幅をうまく使ってボールを保持。
「守る時はピッチを狭く、攻める時は広く」を完全に体現したのだ。
昨季は90分ハイテンションだったが故、
後半になるにつれエネルギーとアグレッシブさが失われる試合があった。
しかしこの試合におけるリヴァプールは自ら「時間」を作り、
試合功者と言っても良い姿を見せた。
56分にはクラインが右サイドを単独突破、折り返しをコウチが得点。
この試合2ゴール目となる得点で1-3とリードを広げた。
攻勢を強めたいアーセナルだったがアクシデント。
攻撃の起点となっていたイウォビ、ラムジーが続けて負傷、
チェンバレン、カソルラと不本意の交代をしてしまう。
(しかし、結果としてこの交代は功を奏した)
リヴァプールは63分に右サイドを抜けたマネがPAに侵入、
ゴール逆サイドに左足で豪快に突き刺し1-4。
リヴァプールがこのまま試合をクロージングするかに思われたが、
僅か1分後にチェンバレンが左サイドからドリブル突破、
DF3人をかわし右足を振り抜き1点を返し2-4。
さらに75分にはチェンバレンが左サイドで倒されFK。
途中出場のカソルラが蹴ったピンポイントクロスを、
中央のチェンバーズがゴール右隅へと流し込み3-4。
一時は3点差にまで広がったスコアを1点差にまで縮めた。
リヴァプールにも疲れが見え始めたが、
終盤までDFとMFでコンパクトな守備ブロックを形成した
リヴァプールが見事逃げ切り、勝利を勝ち取った。
終盤にはアーセナル新加入のジャカも出場したが、
試合を動かすには時間も少なく、粗削りなプレーが目立った。
クロップの本格的な指導からチームが構築されたレッズ。
ハイプレスを信条とするハイ・インテンシティーの戦術は
昨季の後半でチームに浸透していた。
そのベースに今度は「冷静さ」と「柔軟性」をうまく乗せ、
試合自体のコントロールに着手しはじめたのだ。
今季のリバプールはやってくれる、
そう期待するには十分な試合内容だったと思う。
(試合をクロージングできず失点を重ねたのは残念だが)
寧ろ先制しながらもホームで失態を演じたガナーズ。
エジルやジルー、移籍の噂があるムスタフィが合流すれば
状況は変わるかもしれないが、今季もガナーズは”安定の”順位となりそうだ。
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Matthew |