マンチェスター・ユナイテッド 2
3′ ポール・ポグバ
83′ ルーク・ショー
レスター・シティ 1
90+2′ ジェイミー・ヴァーディ
足並み揃わぬユナイテッド
昨季プレミアリーグ2位と素晴らしい成績を収めながらも、
ユナイテッドに対する評価は賛否が分かれてしまう。
堅実なブロックを敷きカウンターに徹するいわば”モウリーニョ流”だが、
宿敵シティはじめリバプールなど多彩で魅力的な攻撃を行うクラブとは
あまりに対照的で、現実的なフットボールだったからだ。
冬には攻撃の重要なピースとしてアレクシス・サンチェスを、
半ばシティへの移籍目前にして攫う形で獲得するも…
彼本来の創造性をチームが引き出す事は出来なかった。
今季のユナイテッドは大型補強が噂されていたものの、
最終的に獲得できた即戦力はブラジル代表のフレッジのみ。
遅々として進まぬ補強にモウリーニョは最早苛立ちを隠さず、
プレシーズンでも納得のいく結果は手にできなかった。
「チームがこの大会を学んだ事はなにもない」
ICCを終えて放った指揮官の言葉には、危機感が感じ取れた。
進まぬDFラインの再構築
今オフのユナイテッドにとってDFラインの補強は急務だったはずだ。
故障が絶えないスモーリングとバイリーにフルシーズンの稼働は難しく、
(フィル・ジョーンズに関しては最早説明も必要ないだろう)
バレンシアとヤングも年齢的な衰えを隠せない。
加入2年目のリンデロフに期待せざるを得ないところだが、
全てを彼一人に託すのは酷な話だ。
そこでユナイテッドのフロントは多くのCBにアプローチをしたものの、
ゴディン、アルデルヴァイレルト、ボアテング、マグワイア….
W杯での活躍も目に光った名だたるCB達には加入を断られる始末。
それだけユナイテッドの状況を良く思わない選手が多いのかもしれない。
ともあれ、手元の選手だけでのやりくりを強いられるモウリーニョが
不満を漏らすのも致し方ない部分がある。
フレッジのフィットには時間が必要か
レスター戦の先発にも起用されたフレッジだったが、
この日は彼本来のポテンシャルを活かしたシーンは少なかった。
セレソンの司令塔らしくテクニカルなスキルとプレーは頼もしいが、
そもそも周囲との連携は構築しはじめて日が浅い。
らしくないパスミスやボールロストが散見され、
及第点とも言い難いパフォーマンスを見せたのが正直な印象だ。
しかし加入して間もない事、またユナイテッド自体が
ビルドアップ時やパスコースを確保する約束事が皆無なのも事実。
レスター戦の出来だけで彼の価値を判断するのは時期尚早と言えるだろう。
期待される”落第達”の逆襲
この日決勝点を挙げたのは先発起用に応えたルーク・ショー。
そもそもユナイテッドで先発した両SBは彼とダルミアンであり、
モウリーニョが半ば「失格」の烙印を押し、放出を容認していた選手らだ。
ダルミアンに至っては放出リストの上位だったはずだが、
補強が難航した経緯もあり今季もユナイテッドに残留している。
ショーに至っては今オフにだらけきった体をメディアに晒した事もあり、
クラブの主力と見るには難しい状況だったと言える。
しかし少なくともショーに関しては結果において最高の仕事をし、
ヤングらベテランの牙城を崩す大きなチャンスを得たはずだ。
彼らだけでなく、この日先発したA.ぺレイラやマルシアルなど
若手の台頭なくして今季のユナイテッド躍進は有り得ない。
補強が上手くなったことが、彼らの発奮を促すといいのだが。
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Matthew |