チェルシー 4
17′ モラタ
23′ アザール
38′ M.アロンソ
62′ アザール
WBA 0
18日に行われたプレミアリーグ第12節、
ウエストブロムのホームで行われたチェルシーとの一戦は
タイトなゲーム予想に反しチェルシーが4発快勝。
第3節より勝利が遠のいているWBAの苦しい旅路は未だ続くようだ。
機能性を見せた中盤3センター
この日コンテ監督はいつもの3-4-3ではなく、
中盤を3センターで固めた3-5-2を採用している。
これまで3センターで臨んだ試合の多くはビッグゲームであり
守備バランスを重視したものであった。
しかし、この日の3センターは従来のスタイルとは明らかに違い、
主導権を握る事を前提とした戦い方を見せている。
策略家コンテがまた、チェルシーに新たな武器をもたらしたのだ。
中盤の底のカンテがバランスを保ち、
セスクが自由に動き回りパスを引き出す。
バカヨコは攻撃時は2トップの下、バイタルエリアで基準点となり、
それぞれが明確な役割を持って試合を進めている。
決して付け焼刃のシステムではない、
チェルシーの新機軸として期待できる内容だった。
抜群の相性を誇るモラタとアザール
まるで幼少期から共にプレーしていたのではないかと疑うほど、
彼ら2人は早くからプレービジョンを共有し、最高の連携を見せている。
この日先制点を奪ったモラタのゴールはアザールのシュートから生まれ、
2点目はモラタのフリックから抜け出したアザールが決めている。
高度なスキルと爆発的なスピードを併せ持つ両者であれば
極めて狭いスペースであっても難なく切り裂いていく。
4失点してしまっている以上WBAの守備に関しては苦言を呈せざるを得ないが、
彼らの出来が悪いという以上に、
モラタとアザールの2人が素晴らしかったと言うべきかもしれない。
3番手から一転、重要なピースとなりつつあるセスク
「3-4-3の中盤ではセスクは活きない」
そもそもコンテが中盤2センターに求めるものは
「カウンターの起点と成り得るボール奪取力」であり、
「ピッチを縦横無尽に駆け回れる運動量とダイナミズム」と言える。
セスクの良さはその類稀なるゲームメイク力、タッチダウンパスであり、
決してコンテが求める中盤の理想像とは異なっている。
その為セスクが起用され彼のパスから素晴らしい攻撃が生まれようと、
必然的にボール奪取の機会は減り、自陣に押し込まれる時間も。
その実力は誰もが認めるところだが、セスクが適任のシステムではなく、
しばしば3トップの一角を担っていた事からもその事実は伺える。
とはいえ、今季セスクの重要度は時間と共に確かなものになっている。
同胞モラタの爆発的なスピードを引き出すタッチダウンパスは破壊力抜群。
開幕からアシストを量産し、たとえ押し込まれた状況でも
彼の右足から放たれたパスは一瞬にして決定的なチャンスをもたらしている。
コンテが3センターのシステムを本格的にチームに落とし込んだのも、
彼の重要性を認識した上で導き出した最適解なのかもしれない。
アザールはアンタッチャブルな存在に
この日、彼を止めるにはファウル覚悟のタックルを行う以外なかった。
元々タイトな守備が良さでもあるWBAの守備陣を相手に、
どれだけ寄せられようと、体を抑えられようと、彼は抜け出した。
時には数手先を読んだような動き出しからフリーの状況さえ作り出し、
最高のファーストタッチを如何に難しい体勢であろうと実行している。
武闘派が多いウエストブロムからすれば最高に厄介な相手だったはずだ。
間合いに入る事すら許されず、たとえ味方と囲んでいても
ほんの僅かなスペースを使われ背後を取られるのだから。
2トップを組んだ事でライン裏への抜け出しすらプレーの選択肢に入り、
実際にダメ押しの4点目すら奪ったアザール。
かつてのような好不調の波は、今では微塵も感じさせない。
マンチェスターのライバル達の背中を追う
前節ユナイテッドを下したとはいえ、未だ順位は彼らの下。
ユナイテッドとは勝ち点1差で背中が見えているが、
首位シティとは勝ち点9もの差が開いてしまっている。
連覇の道は未だ険しいものの、
苦しい状況だからこそコンテは打開して見せると信じたい。
昨季もそうやって、地道に這い上がり優勝したのだから。
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Matthew |