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— Liverpool FC (@LFC) 2017年6月23日
23日にリバプールはエジプト代表FWモハメド・サラーの獲得を発表。
イタリア、ASローマに支払った移籍金は3430万ポンド(約48億円)で、
これはリバプールにおける史上最高額での移籍となる。
25歳の快速ウイングとしてセリエAで活躍したサラーは
バーゼルで頭角を現し、2014年にチェルシーへ移籍。
だが定位置を確保するには至らずフィオレンティーナへ移籍し、
改めて実力を証明した事で2015年にローマへと完全移籍した。
ローマでもその快速ぶりと技巧で結果を残し、
今季には公式戦39試合出場19ゴール12アシストを残している。
将来有望な選手として戦っていた2年前の彼とは状況が違う。
彼はチームの主力として迎えられ、実力を示す必要があるからだ。
自慢のスピードで敵陣を強襲すれば、
高い技術と創造性で結果を残し続けてきた。
イタリア・セリエAという環境で素晴らしい実績を残すのは容易ではない。
ほぼ全てのチームが戦術的に機能しており、
こと対人守備における明確なメソッドは未だ欧州屈指のレベルにある。
その中でも2年連続で二桁ゴール・二桁アシストを成し遂げたのだから、
サラーを射止めたリバプールフロントの手腕は称賛に値するだろう。
昨季リバプールは優勝を十分狙える位置につけていたが、
年明けになると負傷者続出、崩しの切り札マネの代表離脱などで失速した。
ホームで公式戦3連敗という厳しい状態も経験したが、
何より相手に敵陣へと引かれた状況だと手詰まりになる”悪癖”が露呈。
結果以上に内容の伴わない試合も多く、
攻撃オプションの拡充が今夏補強の大きなテーマとなっている。
そのいった意味でも、サラーの獲得は重要だと言えるだろう。
敵陣へ切り込むプレースタイルゆえにマネは負傷離脱も多く、
フルシーズンの稼働は正直期待できない。
縦の推進力に優れ、得点力も兼ね備える彼の役割は大きい。
コウチーニョ、フィルミーノ、ララーナらと
流動性のある連携を構築する事が不可欠であり、
プレシーズンでどれだけチームに馴染めるかがカギを握る。
ポジティブな面が多いサラーの移籍だが、
彼の獲得が失敗に終わる可能性も完全には否定できない。
天才肌ゆえの安定感の無さは相変わらずで、
ワールドクラスの活躍をしたかと思えば試合から消える事も。
キャリアを積み重ねる上でその傾向は改善されつつあるが、
かつて居場所を失ってしまったプレミアリーグで同じ状況に陥る事は考え得る。
クラブの史上最高額での移籍だけに期待は大きく、
先行投資という意味合いは皆無。
メディアやサポーターからのプレッシャーも少なくないだろう。
早々と活躍できれば一気にスターダムを駆け上がるであろうが、
逆にフィットに時間がかかるのであれば早期退団が加速してしまうだろう。
さらにチームにはコウチーニョを始めアタッカーは人材豊富。
チームのスタイルも組織的なプレッシングがベースとなっており、
これまで守備意識に欠けていたサラーの存在が受け入れられるかどうかも疑問だ。
今のリバプールにおいて守備のタスクが免除される選手はおらず、
ゲーゲンプレスはクロップ監督の目指すチームの根幹を成している。
いかに攻撃で絶大な貢献をしようとも、
攻守におけるハードワークを厭わないようであれば、
彼がリバプールでの居場所を失うのは時間の問題になる。
それこそ、個人的なプレーにひた走るようでは、話にならない。
ともあれ、早々とチームに即戦力が加わった事は嬉しい限り。
チームスタイルへの適応も課題を残すだけに、
プレシーズンの過ごし方も非常に重要になってくる。
まずはチームへ馴染み、フィットすること、
サラーがまず求められる事はそこだろう。
実力は既に証明しているだけに、
大きな期待を良い意味で裏切ってほしいところだ。
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Matthew |