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負けないチェルシー、勝てないリバプール。

○引き分けに終わったチェルシーvsリバプール

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注目のビッグカードだった。

今季独走状態にある首位チェルシー、そしてそれを追うリバプール。

前半戦の両者の戦いは2-1でリバプールが勝利したが、

リバプールは2017年に入ってからリーグ戦未勝利が続いており、

決して良い状態とは言えない。

対するチェルシーは年明けのスパーズ戦を落としたものの

後に引きづるような事はなく、その後も連勝。

首位をガッチリとキープしている。


○強かさが光ったチェルシー

高いインテンシティーを試合を通じて狙うレッズとは対照的に、

チェルシーは至って落ち着いていた。

焦らず、惑わされず、しかし情熱的に。

プレー自体には熱が伴うものの、勢いに流されてしまい

チームとしてのバランスを失うような事は皆無に等しかった。

先制したD.ルイスのFKも含めて、強か(したたか)だった。

一瞬の隙を見逃さずゴールを奪ったのは高い集中力の賜物であり、

シーズン通してコンテがチームに求め続けてきた事だ。

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”常に集中しろ。勝利の為に。”とピッチで叫ぶ闘将の薫陶を受ける

チェルシーの選手達は、かつて失っていた自信を完全に取り戻している。


○速く、強く、球際で闘うリバプール

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立ち上がりから激しいチェイシングで追い込むものの、

リバプールの狙いは必ずしも満たされなかった。

チェルシーは危険な位置でのボールロストのリスクを感じれば

躊躇いなくジエゴ・コスタや逆サイドWBへロングボールを送る。

その為コンパクトに保たれたプレス陣形を度々無効化され、

むしろ大きく開いたスペースでの1対1に付け込まれる場面もあった。

それでも失点に繋がらなかったのは一重にリバプールの選手が戦い、

対人戦においては簡単に釣り出されず、粘り強くプレーしたからだろう。

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クロップは自身の哲学を曲げる気も、チームの戦術を変えようとはしなかった。

あくまで試合のインテンシティーは高く、

プレッシングは激しく、人とボールは速く動く。

前半からサイドを中心にチャンスを作るも、エリア内で強さに欠ける。

その為前半の途中からはエリア内へ

インサイドハーフのジャン、ワイナルドゥムも積極的に進出させ、

それは実際に後半の同点弾を導いた。

バランスなど知ったことか、と思える程にリバプールは前へ進んだ。

時間が経つにつれプレスは激しく、そして密度を伴って機能した。

徐々にビルドアップでミスを犯し始めるチェルシーだったが、

それはリバプールからもたらされたマイボール時の閉塞感によるものだ。

「点を取られたのなら、取り返すだけだ。」とはクロップの言葉。

まさに言葉通り、リバプールは闘って見せた。


○試合後半は打ち合いへ、それでも決着はつかず

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リバプールの熱がそうさせるのか、

試合が終盤に近付くにつれ試合は打ち合いの様相を呈した。

ジエゴ・コスタのPK獲得で万事休すだったリバプールだったが、

ミニョレのビッグセーブに救われたことで

その熱が冷める事は試合終了のホイッスルが鳴るまでなかった。

チェルシーは徐々にジリ貧の状況が続いたが、

後半途中に投入されたセスクの起用とシステム変更が功を奏す。

カンテのアンカーにマティッチ+セスクの3センターは

中央のプロテクトとカウンター時の推進力に長け、

ボールを奪った瞬間、ポジティブ・トラジション時のクオリティを

格段に高める事に成功した。

セスクが入った事で、彼から2トップへ直接チャンスが供給される。

コンテが採用したセスクの役割とシステム変更は、

守備と攻撃両面で抱えていた大きな問題を見事に解決して見せた。


○引き分けで満足のチェルシーだが….リバプールは。

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試合後クロップはいつものように選手達を称えていたが、

それでも選手達の表情には曇りが見えた。

”チェルシーに負けなかった”のではなく、

”やはりまた勝てなかった”という悲壮感を感じ取っていたのだろうか。

タイトルへの期待が高まった序盤戦に比べ、

今のリバプールに漂う雰囲気は決してポジティブなものではない。

懸命にチームを鼓舞する指揮官の声も虚しく、

選手達には疲労感と焦燥感も含めた、マイナスな感情が見て取れた。

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コンテも勝ち点3を取れなかった事自体には落胆していたものの、

それでもタイトル争いをする上で強豪相手に勝ち点を奪ったのだ。

それも今季チームが初めて敗けた相手なのだから、

苦手意識を克服する上でも重要な勝ち点となるだろう。

リバプールと違ってチェルシーからすればこの勝ち点1はポジティブで、

続くアーセナル戦を闘うためにも必要な勝ち点だった。

更には今節他の上位陣も軒並み勝利を挙げられず停滞。

天さえも、チェルシーを優位に立たせようとしているかのようだ。

勝つ可能性のある試合であった事も確かだが、

それでも、コンテはチームに自信と誇りを感じたはずだろう。

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Matthew Matthew

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