FA杯3回戦、6日に行われた敵地での試合を引き分けに終え、
本拠地スタンフォード・ブリッジでの再試合に臨んだチェルシー。
2部の格下相手ともあり先発こそアザール、モラタらを温存したものの、
後半アディショナルタイムに追いつかれ、延長では2名の退場者を出す波乱の展開。
PK戦ではカバジェロのセーブに助けられ何とか勝利を得たものの、
これから戦うシーズン後半に不安を感じさせる内容だった。
18歳の新鋭起用もチームのパフォーマンスに勢いはなく…
この日右CBで先発に名を連ねたイーサン・アンパドゥはまだ17歳で、
昨年からクラブに加入したばかりの新鋭だ。
同じく先発に名を連ねたベテラン達は彼を上手くサポートできる、
そうコンテは踏んでの起用だったかもしれないが…結果は散々なものだった。
ノリッジは中盤とDFラインをコンパクトに保ち密度の高い守備ブロックを構築。
ボールを保持し試合を優位に進めたのは間違いなくチェルシーだったが、
チャンスを活かしきる事が出来ず得点の匂いは感じられない。
むしろ、両サイドにスピードに優れたアタッカーを配し、
シンプルながらも力強く攻め立てたノリッジの方が決定的なチャンスを作っていた。
移籍騒動に揺れるバチュアイが先制点を奪い期待に応えたものの、
昨季プレミア王者らしからぬパフォーマンスだった。
頼れる重鎮カバジェロの存在
この日チェルシーが辛くもPK戦で勝利できたのはカバジェロのお蔭だ。
彼のシュートストップが無ければ、
チェルシーは延長戦を迎える事なくノリッジに仕留められていたはず。
今季クルトゥワの好調もあり出場機会に恵まれない日々が続いているが、
昨季シティでブラーボの代役を務め上げた実力に疑いの余地はない。
簡単に両サイドの深い位置にまで侵入し、
球際でも強さを発揮できない守備陣の背後を力強く支えた彼は称賛されるべきだろう。
重傷から回復傾向も…
今季からチェルシーに加入し、
徐々に負傷からコンディションを回復させつつあるものの
本来の彼の実力を鑑みれば物足りないプレーが続いている。
豊富な運動量、肉弾戦をものともしないフィジカルは魅力的だが、
かつてヴァーディに供給した高品質のラストパスは鳴りを潜めている。
この日コンビを組んだバカヨコとは連携の隙を突かれ
幾度となく間を抜かれるパスを通されるなど、連携面でも課題が多い。
レスターでプレミアを制した相棒カンテの存在は大きいが、
シーズン後半戦、チェルシーが勢いを取り戻すには彼の活躍が不可欠だ。
今冬はストライカーとサイドバック獲得に乗り出すか
今冬の移籍市場はもう間もなく終了を迎える。
今の所バークリーの獲得以外主だった補強はしていないチェルシーだが、
人材の質と量で問題を抱えるポジションは少なくない以上、
今冬の補強がこれで終わるはずもない。
特にストライカーに関しては補強が急務で、
既にコンテはバチュアイに対して信頼を置いていない様子。
バチュアイ自身も移籍に前向きなようで、
仮に退団が確定すれば、何が何でも即戦力を確保する必要があるだろう。
ローマのジェコを始めキャロルやクラウチなど獲得の噂には事欠かないものの、
具体的な話は一切出ていない以上、問題解決の糸口は見つかってないはず。
それだけ噂が出るということは、
チェルシーのフロントも形振りかまわず交渉を仕掛けている表れなのか…。
ザッパコスタが期待とは程遠いパフォーマンスを見せるサイドバックも
バックアッパー不足が指摘されているポジション。
特に左のマルコス・アロンソの代役は実質不在な以上、
ローマで不遇の時間を過ごしているエメルソン獲得を早く決めたいところ。
現布陣での攻撃は両ウイングバックの出来に大きく左右される為、
コンテも新戦力確保を強くリクエストしていることだろう。
いずれにせよ、今冬の新戦力がバークリーのみで終えるのならば、
今季のチェルシーの目標はCL出場権確保になるはずだ。
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Matthew |