今のユナイテッドはジョゼ・モウリーニョの下、
「堅守速攻」という明確なスタイルを打ち出して戦っている。
スピードとフィジカルに優れた選手を多く起用し、
ボールを奪った刹那、爆発的なカウンターを相手に浴びせている。
今季ここまでリーグ2位と確かな結果を残しているチームにおいて、
今季大きな成長を遂げているのがジェシー・リンガードだ。
25歳とチームでは中堅を担いながらも、
今季は本職のウイングだけでなくトップ下の新境地を見出している。
持ち前のスピードと運動量を攻守に活かし、
チームのトランジションにおいて大きな役割を担っている。
これまでは超新星ラッシュフォードの活躍もあり
ウイングの2番手、3番手といったバックアッパーが定位置。
しかし今の彼は最早チームに欠かせないピースの1つであり、
その存在感はアルメニアの英雄ムヒタリアン以上と言っていいだろう。
彼がトップ下で担う役割は明確だ。
守備時は相手DFライン及びボランチへの執拗なプレスを仕掛け、
攻撃時はルカクを基準点としつう相手DFライン裏のスペースを狙う。
抜群のボールキープ力を備えるルカクを追い越し、
相手DFライン裏を強襲するスタイルはユナイテッドの基本的な攻撃の形。
カウンター時にはショート、ロング問わず攻撃力を発揮し、
その鋭さは立ち上がりだろうと試合終了間際だろうと錆びつく事は皆無。
リンガードは文字通り、攻守の要として赤い悪魔に貢献している。
元来の突破力と推進力に加えパスセンスやゴールの嗅覚を磨けば、
今後のユナイテッドの将来を担う重要な存在にもなっていくはずだ。
念願のA代表にも昨年から招集されているものの、
確かなポジションを掴んでいるとは言えない。
僚友ラッシュフォードを始めデレ・アリ、スターリングなど
リンガードより年下ながらも実力ある選手達との競争を強いられている。
来年に控えるW杯に選ばれる為にも新ポジションでの活躍は良いアピール。
サウスゲイト代表監督は絶対的なエース・ケインをサポートする相棒役を
欲しており、1トップと2トップを併用するなどまだ模索の段階にある。
継続的な出場と結果を残す事がリンガードにとってW杯出場への道であり、
どれだけ印象に残るプレーを続けられるかどうかが重要だろう。
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Matthew |