レスター・シティは9日に
クレイグ・シェイクスピア監督と新たに3年間の契約を結んだと発表。
今年2月にクラウディオ・ラニエリ前監督の解任を受け、
コーチの立場から事実上の暫定監督として昇格した。
クラブ初のCLでは躍進を果たすもののリーグでは低迷。
一時降格圏にさえ沈んだものの、
「レスターらしさ」を取り戻させたシェイクスピア監督は
最終的にリーグ12位、CLベスト8の成績を残した。
コーチの時からチームの戦術や方針に携わっていたとはいえ、
シェイクスピアが受け継いだ時のチーム状況は混迷していた。
CLでの奮闘とは裏腹にリーグ戦では徹底的に相手に研究され、
自慢の堅守も速攻も鳴りを潜めてしまっている状態。
チームとして攻守の最適なバランスも、
苦しいチームを救い出す救世主となる選手の存在も感じ取れなかった。
ラニエリが新たな試みとして始めたシステムも、
チームを次へ進める為に起用した若手、サブの選手も活躍できない。
全てが裏目に、そんな時間が続いてしまっていた。
我慢の限界を迎えたオーナー、フロントがラニエリを首にし、
シェイクスピアが暫定監督に。
とはいえ、全てが上手くいくはずもない。
それこそ、レスターには”魔法”が必要だ____そんな声のが多かった。
しかしそんなチーム状況なんて何のその。
シェイクスピアは就任直後に「今が最低ならば、あとは上がるだけ」と
レスターのこれからの活躍を信じて疑わなかった。
選手達には恩師ラニエリを退任に追い込んでしまった責任感を呼びかけ、
ロッカールームは再び”噛ませ犬”としての反骨精神が生まれる。
勝者としての姿勢も、振る舞いも、矜持も必要ではないと。
レスターが”レスターらしさ”を取り戻せたのは、
紛れもなくシェイクスピアの功績だ。
戦い方も、ボールに対する姿勢も全て優勝時に再帰させた。
1つ1つのプレーに魂を込め、全員が戦う。
一瞬のチャンスを呼び寄せる為に、全員がピッチを走る。
泥に塗れようと、傷だらけになろうと勝つ、レスターが帰ってきた。
就任後リーグ戦は16試合で8勝。
「悲劇の監督にならないといいが」などと皮肉られたシェイクスピアは、
見事な喜劇をわずか4ヵ月で演じて見せたのだ。
来季への準備は既に始まっているはずだが、
ここまで積極的な動き自体は見せていない。
シェイクスピアはシーズン中に今夏の補強について、
「大手術(大型補強)は必要ないと思う。
必要最低限で済むはずだし、何人かは出ていき、何人かは残る。
が、我々はクラブの移籍金史上最高額を破る可能性だってある。」
とのらりくらりとコメントを残している。
今季レスターはリーグ戦は12位と低迷してしまったものの、
CLベスト8まで進んだ事で6600万ポンドもの賞金、放映権料を手にした。
大型補強を行えるだけの財政的余裕はあり、
昨夏スリマニに対して払った2900万ポンドを超える移籍話は十分有り得る。
ともあれ、CBの高齢化問題やヴァーディ、マフレズらの慰留など
補強に関しては非常に悩みの種は多い。
まずは主力の残留、そして新選手の獲得とセオリー通りいくはずだが…
ヴァーディ、マフレズ、シュマイケル。
これらのうち1人は、もうフォクシーズではなくなるかもしれない。
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Matthew |