この刷新が吉と出るか、凶と出るか。
シティは27日、フランス・モナコより
ポルトガル代表MFベルナルド・シウバの獲得を発表した。
移籍金は4300万ポンド(約62億円)で5年契約にサイン。
22歳とまだ若手ながらもA代表にも選ばれており、
今季モナコのリーグ・アン優勝の原動力になるなど活躍していた。
創造的なプレーを持ち味とする技巧派サイドアタッカーであり、
ここ数シーズンは得点力も向上してきたシウバ。
スターリング、ザネら既存の戦力との激しいポジション争いが予想され、
チームに大きな競争を生み出しそうだ。
新たに来る者もいれば、去る者もいる。
シティは25日に公式HPなどを通じて4選手の退団を発表した。
全て契約満了を迎えたベテラン選手となっている。
退団が発表された5選手は以下の通りで、
GK ウィリー・カバジェロ (35歳)
DF バカリ・サニャ (34歳)
パブロ・サパレタ (32歳) ※既にウエスト・ハム加入を発表
ガエル・クリシー (31歳)
MF ヘスス・ナバス (31歳)
マンチェスター・シティ躍進を支えてきた歴戦の勇士が去る事に。
サパレタ、クリシー、サニャらは特に長年支えてきたいわば重鎮で、
特にサブGKとしてハートの背中を守ってきたカバジェロ退団も悲しい。
ナバスの退団も既定路線だったとはいえ、
シーズン後半はジョーカーとして出場機会を得るなど、
一時残留は考えられていたが退団する運びとなった。
（シウバ獲得が断念されていれば状況は変わっていただろう）
カバジェロは今季ナバスの不調（と言うべきか）もあり、
控えGKとしての契約延長が報道されてはいた。
が、ペップ・グアルディオラの信頼を得るには至らなかったのか、
今夏の退団が正式に発表されてしまった。
キャリアとしても晩年を迎え始める年齢だけに、
母国アルゼンチンへの復帰が濃厚とされている。
驚きなのが、ベテランとはいえDF陣を放出した点だ。
今季シティの弱点はDFラインの脆弱さにあり、
質の高いビルドアップも、
可変的なシステムも導入できない理由はそこにあった。
3バックと4バックを試行錯誤しては、
確かな手応えを得られないままシーズンが深まり、
最終的に「理想的」ではなく「現実的」な路線へ。
グアルディオラにとって悩みの種だったのが最終ラインと言ってよかった。
だが、今のところDFの新選手獲得は発表されていない。
大型補強の大半はDFラインのテコ入れと思われているが＿＿＿＿＿
目途が立ったのか、フロントは実績あるDF達を手放す決断をした。
確かにサニャ、クリシらは全盛期を過ぎ、体力的な衰えも顕著。
プレー自体も感覚的な選手だっただけに、安定感にも欠け、
何よりペップの戦術を最後まで吸収できなかった。
”失格”の烙印を押されても仕方のないプレーもあっただけに、
グアルディオラは早々と見切りをつけていたのかもしれない。
ただその点、サパレタは少し状況が違っていた。
DFラインでは戦術的インテリジェンスに長け、
機を見たオーバーラップと確かなビルドアップの質は健在。
序盤から出場機会をコンスタントに得ていただけに、
シーズン中は契約延長も現実的、と見られていたが…..
実際の所、指揮官は彼のプレーも満足できてなかったのだ。
シーズンが深まるにつれ、サパレタの位置、
つまり右SBには本来アンカーのフェルナンジーニョが起用される。
Y.トゥーレの活躍に押し出される形でもあったが、
信頼感が徐々に薄まっていたサパレタはベンチを温める時間が増えてしまった。
そもそも今季、ペップの期待に応えたDFはいなかったが。
新シーズンに向け大型補強を敢行し始めたシティ。
豊富な資金力をバックに、
指揮官グアルディオラとSDベギリスタインの蜜月関係で
補強の方針は一貫したものとなっているはずだ。
”技巧的”かつ”ハードワーカー”というワードが鍵になるはずだ。
DFには昨年ストーンズが期待外れに終わっただけに、
将来性＜実績を重視してリストアップをしているはず。
指揮官の理想に見合う人材は世界でもそうはいないだろうし、
ビッグネームの獲得も今後明らかになるかもしれない。
ともあれ、シティはこの夏チームを一新するのは確かだ。
 |
Matthew |
