チェルシー 3
66′ ペドロ
79′ ケーヒル
86′ ウィリアン
エバートン 0
プレミアリーグ第35節、
首位チェルシーと7位エバートンの試合がグディソン・パークで行われた。
敵地に乗り込むアウェイ・チェルシーは負ける訳にはいかなかった。
というのも、先に行われたトッテナム対アーセナルの
ノース・ロンドン・ダービーではトッテナムが快勝。
チェルシーはアウェイとはいえ敗北なら1ポイント差に迫られ、
タイトルレースは全く予想不可能な状況に陥る可能性があった。
7位エバートンからしたら、負けたくはない試合だ。
ただ、チェルシーがCL出場確定、
かつ5位アーセナルがFA杯決勝に進んだ為自動的にEL出場権を獲得。
その為、ELに出場するには7ポイント差があるユナイテッドに
最低でも追いつく必要があり、非情に難しい状況。
事実上不可能とさえ思える状況を打開するためにも、
エバートンは勝利を必要としていた。
お互い、狙いはカウンターだった。
チェルシーもエバートンも布陣を崩さず、
お互い様子を窺うような時間が過ぎていく。
両者マイボールを簡単に放り込む事は少なく、
チェルシーはサイドの深い位置を狙い、
エバートンはルカクを最終地点と定めてDFライン裏のスペースを突く。
中盤の主導権こチェルシーに軍配が上がったが、
チェルシーの3バックはルカクを抑える事は困難を極めた。
更にクーマン監督は対アザールとしてグイェのマンマークを採用。
ユナイテッドのモウリーニョがそうしたように、
徹底的なマンマークを置くことで試合からアザールを消去。
アザールが前を向き勝負できる状況はほとんどなく、
決定的なチャンスを作り出す事は交代するまで叶わなかった。
D.コスタにもジャギエルカ、ウィリアムスの潰しが効き、
単純なボールキープさえも簡単ではない。
両者散発的なチャンスを作り出すも決定機に欠ける。
後半の途中まで、そんな状況が打開される事もなかった。
だが、アザールとD.コスタらが苦しむ中輝きを放ったのが、
この日も圧倒的な運動量で攻守に奔走したペドロだった。
Pedro pic.twitter.com/rlBAQKrUm0
— Axel-SMITH (@FantaskickAxel) 2017年5月2日
わずか一瞬の出来事。
巧みなステップでコースとシュートスペースを確保し
振り抜いた左足は完璧なコースへと突き刺さった。
均衡を破る先制点がもたらされた事で、試合が動きだした。
チェルシーからすれば、更にリスク管理を保てばいい。
リスクを冒す必要性に迫られたエバートンは、
ゲームプランを大きく修正した上で攻撃的にシフトした。
エバートンが前がかりになった事で中盤にはスペースが生まれ、
グイェ自信はアザールへのマークを最後まで担ってはいたが、
間延びしたスペースを埋める必要性に駆られた事でマークは緩み、
却ってエバートンの守備リスクを生じさせてしまった。
Cahill pic.twitter.com/VGtmdnb9t3
— Axel-SMITH (@FantaskickAxel) 2017年5月2日
試合巧者ぶりが光るチェルシーだったが、
セットプレーから追加点を奪い盤石の体制に。
シーズン序盤でも見せていた得意の流れに持ち込み、
堅く守りながらも一瞬のチャンスで追加点を叩き込む。
クーマンの表情が晴れる事は無く、
ただ時間と失点だけを重ね続けてしまう状況を見つめ続ける。
勝利を確信したかのように思えたチェルシーだったが、
D.ルイスが鼠蹊部を痛めるアクシデントに見舞われる。
ここ数試合でも試合中度々痛がるシーンはあったものの、
この試合で本格的に負傷。
代わりにアケーが出場し、彼自身2年ぶりにブルーズとしてリーグを戦った。
またアケー出場と同時にペドロを下げセスクを投入。
より中盤をコンパクトに保ち、
低い位置からのセスクのフィードからチャンスを伺った。
高い位置でのプレッシングを放棄する代わり、
チェルシーは中盤深い位置まで簡単に侵入される事は無く、
万全といえるゲームプランのまま時間が過ぎ去った。
ゲーム終盤にはウィリアンをアザールに代わり投入し、
中盤から前線への活性化を促す事で、息切れを防止する。
Willian pic.twitter.com/3ZYqacJUo4
— Axel-SMITH (@FantaskickAxel) 2017年5月2日
試合を決定づける3点目。
交代出場したセスクとウィリアンが見逃さなかったチャンスで、
チェルシーは見事エバートン相手に快勝を収めた。
快心の勝利だったとはいえ、
ここまで守備の中心として牽引したD.ルイスの負傷は頂けない。
チームから離脱期間の発表は無く、
場所が場所なだけに今季絶望の恐れもある。
残り試合は比較的楽な相手だが….小さくない問題。
エバートンからすれば手痛い敗北と言えるだろう。
EL出場権の獲得は益々困難となり、
マンチェスター勢が引き分けた事で可能性自体は残ったが
1試合の引き分けすら許されない状況に陥った。
降格もなければ、欧州の舞台へ行ける可能性も低い____
エバートンは残った試合をただ消化するだけになってしまった。
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Matthew |