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誰よりも熱く、そして強かに

チェルシー          0

マンチェスター・ユナイテッド 2

 


現地時間16日、

首位のチェルシーは敵地オールド・トラッフォードに乗り込み、

マンチェスター・ユナイテッドに0-2で敗戦した。

勝ち点75で首位をひた走るが、

この敗北によって2位トッテナムとの勝ち点差は僅か4。

俄然、タイトルレースは白熱の様相を呈している。

ユナイテッドにとっても首位相手の最高の勝利であり、

来季の欧州カップ戦を望む上でも重要な白星ではあった。

だがそれ以上に、この試合で見せたユナイテッドの姿勢は、

ここ数年で失ってしまった「戦う集団」としての矜持そのものであった。

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ここ10試合リーグ戦で敗北が無いとはいえ、

ユナイテッドはリーグ優勝はおろかCL圏内さえ簡単ではない順位。

地元のライバルチームの背中を追う状況が続き、

格下相手に勝ち点をなかなかコンスタントに奪えない、

苦悩の日々が続く期間さえあった。

それでも今季のユナイテッドがこれまでとは違ったのは、

ELとの二足の草鞋を履きつつも、

重要な試合では勝利へのスピリットを失わずに戦っている事だ。

前任のV.ハールが失わせてしまった「プライド」と「闘争心」を、

稀代の戦術家でありモチベーターのモウリーニョが取り戻させた。

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モウリーニョがチェルシー相手に執った戦術は、

かつてのユナイテッドでは採用されるはずもない、泥臭いものだった。

フォーメーションは3-5-2。

「守備時にはチェルシーの3バックを除く全選手にマンツーマンで付き、

相手CBにボールを持たせ、

リンガード&ラッシュフォードの2トップで強襲する。」

主導権を握るわけでもなく、

華麗で魅力的なプレーを選択するわけでもなく、

ユナイテッドはただひたすらに、戦い続けた。

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ユナイテッドには運もあった。

オフ期間中にクルトゥワがケガを負い、

チェルシーはGKに今季出番の乏しいベコビッチを起用。

試合直前にはトレーニングでM.アロンソが負傷し、

急遽アスピリクエタを左WB、ズマを先発起用している。

今季DFラインをほぼ固定して戦ってきたチェルシーにとって、

決して小さくは無い”ズレ”が生じていた事は否定できない。

特にズマの先発起用はモウリーニョにとって願ってもない事態だったはずだ。

ユナイテッド・アカデミーが輩出した俊足の2トップで

チェルシーの3CBに圧力をかけるのが戦術の根幹であったのだから、

経験とフィード能力に欠け、

危機察知能力とポジショニングに優れるアスピリクエタを

サイドエリアへと追いやる事に成功した。

まるで勝利の追い風が吹いているような、

そんな感覚すらあったのではなかろうか?

 

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試合が始まる笛が吹かれれば、

ピッチで起こる事は全て、ユナイテッドに有利に働いていった。

モウリーニョの確信を持った狙いを胸に選手は走り、戦う。

そして前半の開始早々に、スコアは動いて見せた。

7分、手を使ってエレーラがボールを奪うもジャッジは流し、

ユナイテッドは一気果敢にカウンター。

見事なスルーパスに抜け出したラッシュフォードが冷静に沈め、

待望の先制点をユナイテッドにもたらした。

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誰もが待ち望んだ先制点を奪った。

FA杯では前半で退場者を出すなどジャッジに苦しんだユナイテッドだが、

今日はその審判さえも追い風に首位チームを苦しめる。

リンガードとラッシュフォードのスピードに対応できるCBは

チェルシーにはいないのだから、

瞬間的なカウンターを以てすれば得点は時間の問題だったのかもしれない。

だが、それが前半の開始早々に決まったのだから、

ユナイテッドの戦術ベースはよりシンプルに、強固になった。

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「失点だけは絶対にしない。だから得点は1つでいい」

そんなモウリーニョの狙いが垣間見れるかのような試合運び。

得点に驕る事もなく、赤い鎧を身に纏った選手達は闘いを継続。

2トップで獰猛なまでにDFラインにファーストプレスを敢行し、

中盤とDFラインで徹底的にパスコースを潰す。

チェルシーは苦し紛れにロングボールを蹴り出すが、

元々アバウトなロングボールが戦術的ベースにないチェルシーは苦戦。

バイリーやフェライニらが空中戦を苦にしない事もあり、

チェルシーは最後まで窮屈なゲームを強いられていた。

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特にこの日輝きを見せていたのがエレーラ。

先制点をアシストし、後半には追加点も奪って見せ、

90分を通して中盤で攻守に貢献して見せた。

FA杯ではチェルシー相手に退場してしまっただけに、

個人的な想いも秘めていたのだろうか、

鬱憤を晴らすかのように、1つ1つのプレーには「熱さ」があった。

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チェルシーにとって攻撃の糸口はカウンターのみと言っていい程で、

今季強みだったビルドアップとサイドアタックは鳴りを潜めた。

というより、ユナイテッドの選手達が素晴らしかったと言うべきだろう。

急造のフォーメーションの粗さをスピリットでカバーし、

全ての選手がチームの為にとハードワークを厭わなかった。

名門ユナイテッドらしからぬ、

それもここ数年のユナイテッドでは想像できない、

あまりにも「強か」で傷だらけの勝利だった。

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やはりモウリーニョ就任の選択は正しかった____

そう思わざるを得ない試合だったはずだ。

確かな戦術と狙いを以て試合に臨み、

試合での采配もまた確実に勝利を手繰り寄せていた。

交代策もまた見事だった。

前半からフルスロットルで駆け抜けた2トップに代え入った

イブラヒモビッチとキャリックは試合を落ち着かせ、

3枚目はフィジカルに優れるDFフォス=メンサーで締めくくる。

イブラヒモビッチは前線で懐の深いボールキープで基準点となり、

キャリックは持ち前の統率力とバランス感覚でチームを牽引した。

互いに疲れる時間帯であったからこそ、

経験豊かなベテランの投入でユナイテッドは冷静さを欠かなかった。

C9mVPo1WsAATjVh今季一番の試合だった、と言っていいはずだ。

今季挑戦できるタイトルはヨーロッパリーグのみだが、

名門復活の狼煙を上げるのに欧州タイトルは恰好の標的。

時間はかかったが、

モウリーニョの薫陶を受けたユナイテッドは確かに変わりつつある。

リンガードやラッシュフォードら若手の台頭も後押しし、

ユナイテッドは変化の時を過ごしている。

今季の残りの試合を同じモチベーションで戦う事は困難であろうが、

EL優勝、そして来季CL出場圏内の確保は

決して不可能なミッションではないだろう。

この記事を書いた人

Matthew Matthew

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