レスター・シティ 0
マンチェスター・ユナイテッド 3
42′ ムヒタリアン
44′ イブラヒモビッチ
49′ マタ
○CLを目指すユナイテッド、降格争いから脱したいレスター
5日に行わたプレミアリーグ第24節、
16位のレスターはホームに6位ユナイテッドを迎えた。
今季の低迷から抜け出せないレスターは未だアウェイで未勝利を続け、
上位相手とはいえ最低でも勝ち点1をもぎ取りたい。
対するユナイテッドは序盤の躓きから立ち直り、
ここ数試合のチームパフォーマンスは安定してきている。
勝ちきれない試合はそれでも多いものの、
公式戦ではここ14試合無敗を貫いており、守備の安定感も光る。
特にムヒタリアンのフィットによってチャンスの起点が増え、
今やユナイテッドに欠かせないピースとさえなった。
○リズムはユナイテッド、だがレスターが凌ぐ
アウェイながらもリズムを掴んだのはユナイテッド。
この日はビルドアップの中核を担ってきたキャリックがベンチスタート。
その代りにエレーラとポグバが中盤の底でビルドアップを担い、
岡崎の執拗なプレスからミスをする場面もあったものの、
リンクマンとしての最低限の仕事は行っていた。
レスターは我慢の時間が続いたものの、
今季のこれまでとは違ったのが”完全に中央を閉め切れた”という点。
中央の陣形をコンパクトに保ち、
CBのモーガンとフートが前を向いてディフェンス出来た事が重要で、
エンディディ、ドリンクウォーターの両ボランチが
常に献身的にスペースを消した事が守備組織を支えた。
ユナイテッドはボールを持つ事は出来、
尚且つパススピードも悪くは無かったが所詮ブロックの外。
前半終了間際まで、エリア内で決定的なチャンスを作り出せたのは
ラッシュフォードの決定機くらいだった。
○耐えても、鋭さのないカウンター…そして失点へ
たとえ守備が安定していたとしても、
それは決して勝利に繋がるとは限らないのが厳しい面だ。
ボールを奪ったとしてもカウンターは鈍く、
奪いきれる場所も自陣深くが大半という状況。
ヴァーディやムサのスピードを活かす事も出来ず、
マフレズは相変わらず波に乗り切れない以上、
レスターの攻撃にユナイテッドが脅威を感じる事は無かった。
そしてそんな時間が続いてしまえば、失点は時間の問題だ。
Mkhitaryan pic.twitter.com/vLKQXhypw0
— Axel-SMITH (@FantaskickAxel) 2017年2月6日
とうとう失点を許してしまった。
ほんの一瞬前がかりになった所を突かれ、失点。
フートの軽率な対応も看過できない点ではあるが、
今季の失点のケースを考えれば、避けなければならない状況だった。
悲しげな表情を浮かべるラニエリ。
そして修正も間もなく、更に失点を重ねてしまう。
Ibrahimovic pic.twitter.com/7fcAgr6C7C
— Axel-SMITH (@FantaskickAxel) 2017年2月6日
人は揃っていた。
数的不利というわけでも、ブロックが無いわけでもなかった。
しかしフートとモーガンはマークを捕まえきれず、
ボランチは最も危険なスペースを空けてしまった。
コンパクトな振りから、しかし強烈なシュートを決めたイブラ。
余りにも痛烈な一撃が、レスターを襲った。
○攻勢に出たいレスター、後半開始から2枚交代
2017年からリーグ戦で無得点が続いているレスター。
そんな彼らが2点を失ったのだから、リスク承知で前へ出ざるを得ない。
岡崎とムサに代え、グレイとキングを投入。
中盤でのバランスをより強固にしつつ、
今季ミドルで印象的なゴールも挙げているグレイに望みを託す。
が、そう話は簡単ではなかった。
MATA pic.twitter.com/Eug1DL2zpV
— Axel-SMITH (@FantaskickAxel) 2017年2月6日
キングも献身的には動くものの攻撃の活性化には繋がらず、
グレイは前を向いてボールを保持する事すら困難な状況。
なかなかプラン通りに進まない中、ユナイテッドは強かに戦った。
試合を決定づける3点目を後半早々に奪い、
事実、レスターの敗北はこの時点で決まってしまったかのようだった。
というのも、レスターの選手、指揮官共に闘志は見えず、
ただ俯いては悲しげな表情で空を見つめていた。
昨季はチーム一丸となって、
ただひたらすらに勝利を目指していた彼らだったが、
最早勝ち方が分からなくなってしまった、という状態なのだろうか。
その眼に最早4点を奪い取る気概は感じ取れず、ただ時間が経過した。
時間が経つにつれグレイを中心に仕掛ける選手はいるものの、
ゴールを脅かす程のエネルギーはチームに宿っていなかった。
試合終了の時が近づくにつれ、帰るサポーターが目立ち始める。
(昨季では考えられない事だ)
後半終了間際には、ペースを完全に落としたユナイテッドに対し
積極的に攻撃を行う場面もあったものの得点は奪えず試合終了。
0-3の完敗という結果で終わった。
○レスターは降格が銀実的な問題に
信じがたい事ではあるが、
昨季優勝を遂げたレスターには降格が完全に視界に入った。
泥沼の4連敗を喫し、尚且つ今年未だ無得点。
どう考えてもチームは悪い方向へと進んでおり、
早急に手を打たない限り状況が改善される事はないだろう。
この結果を受けレスターは16位と順位自体は変わらないが、
降格圏の18位ハルまで勝ち点1差。
最下位の20位サンダーランドまで勝ち点2差と切迫している。
ユナイテッドからすれば取るべき3ポイントを取った。
4位アーセナル、5位リバプールとは勝ち点差2以内の好位置につけ、
CL出場圏内は十分射程に捉えている。
シーズンが深まるにつれ連動性とプレー原則が整いつつある以上、
今後の数試合でもチームの成長は十分期待できる。
ライバル達との直接対決次第では、上位食い込みは可能のはずだ。
「良いプレーをし、勝つための努力をした。
試合をコントロールできたし、比較的イージーな内容だったと言える。」
とジョゼ・モウリーニョ指揮官はコメントしたが、
まさにその言葉通りの内容だった。
レスターも健闘の姿勢は見えたが、それだけだったのだから。
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Matthew |