今季、主力選手との契約延長を進めているアーセナル。
昨年11月には引き抜きの噂が絶えないベジェリンと長期契約を締結し、
今年1月に入ってからはジルー、コクラン、コシエールニーと
各ポジションの主力と契約延長に合意。
先日19日にはメルテザッカーとの契約の更新も発表し、
2018年までの1年間延長している。
今季で契約満了となるサンティ・カソルラに対しても
ヴェンゲル監督直々に「交渉は順調」と語るなど明るい状況。
出場機会を理由に移籍志願を明言したチェンバレンの一件もあるが、
今のところ順調に契約交渉は進んでいるとの事。
着々とチームの契約問題を解消しているアーセナルのフロントだが、
未だ頭を悩ませているのがアレクシス・サンチェスだ。
今季1トップの新機軸を任され新境地を見出しているサンチェス。
ここまで22試合14ゴール7アシストとまさにチームの中心を担っており、
彼の存在なくして今季のアーセナルは語れない程だ。
しかし彼が勝利のメンタリティーをチームに植え付けるさせていると共に、
誰よりもタイトルを望んでいるのは明らかな事。
アーセナルに入団した時から「ここへはタイトルを獲りに来た」と
発言している通り、タイトル奪取を毎シーズン目標にしてきた。
確かにここ数シーズン、ガナーズはタイトル奪取に向け積極補強し、
今季もジャカ、L.ペレス、ムスタフィなど先行投資よりも
「即戦力」という意味合いの強い選手を獲得している。
しかしそれでもタイトルへの道は遠く、国内のカップ戦以外では
優勝する兆しすら感じ取れないのが現状。
そんな状況にサンチェスは不満を抱いているとされ、
国外への移籍も含めて、退団の意思を持っているようだ。
サンチェス側は更新の最低条件に年俸の大幅アップ、
現在の週給13万ポンド(約1900万円)→25万ポンド(約3700万円)
を条件にしていると言われており、クラブ側も承諾しかねている模様。
現行の契約は2018年6月まで。
人気銘柄だけに来季フリーで退団、という状況だけは避けたいアーセナル。
移籍も視野に入れ、複数の選択肢で今後の交渉に臨むだろう。
契約といえば、今季で指揮官アーセン・ヴェンゲルとの契約も終了する。
今季で就任20年目の節目を迎えたボスだが、
今のところ自身の契約延長に関しては明言を避けており、
「(シーズン終盤の)春になったら判断するよ。
自分の立場を振り返って、私自身の決断をする。」とだけコメント。
今となってはチームの経営理念に沿って補強からチームマネジメントまで
細部に渡って司る指揮官はヴェンゲルくらいであり、
それだけフロントとは蜜月の関係にあると言っていいだろう。
確かに監督を変えれば、チームの流れも変わりタイトルへ近づくという
可能性自体も捨てられなくはない。
が、それはアーセナルが着実に積み重ねてきた20年の歴史との決別であり、
クラブが育んできたアイデンティティーの喪失を招くリスクも忘れてはならない。
(特にユナイテッドの例を踏まえれば)
クラブとヴェンゲル、双方合意の上での別れが最善なのは確かだが、
後釜決定なしに退任する事があれば、
ただでさえヴェンゲルを慕う選手の多いチームが崩れ去る可能性も高いのだ。
※エジルに至っては、契約延長の条項に
ヴェンゲルの契約延長すら含もうとした模様
いずれにせよ、いまや世界中のスカウトと交渉が可能であり、
なおかつフットボール界で最高クラスの信頼を得ているヴェンゲルが
アーセナルのクラブに何らかの形で関わり続ける事が理想であろうし、
ユナイテッドのファーガソン以上に、その存在の重要性は高いだろう。
ヴェンゲル自身どう考えているかはわからないが、
クラブに新たなサイクルをもたらすのは、もっと先でもいいはずだ。
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Matthew |