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2点先行するも追い付かれドロー…シティの苦難は続く

マンチェスター・シティ  2

49′ サネ

54′ デ・ブライネ

トッテナム・ホットスパー 2

58′ デレ・アリ

77′ ソン・フンミン

 


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現地時間21日、プレミアリーグ第22節の

マンチェスター・シティ vs トッテナム・ホットスパーが行われた。

ホームに迎えるシティは前節エヴァートン相手に0-4の完敗。

特にグアルディオラの失望は大きく、試合中何度も呆然とした表情が写された。

(交代枠も2つ残ったまま敗戦したので、既に試合を棄てていたとの批判も)

今季既に5敗を喫している事もあり、チームは混迷期に入ってしまった。

対するトッテナムはリーグ戦6連勝中と絶好調。

エース・ケインは尻上がりにコンディションが上がり、

ウォーカー&ローズの両翼は相変わらずダイナミズムに溢れている。

悲願の優勝に向け、チーム一丸となって闘っている。

前回対戦時にはスパーズが2-0で快勝し、

そこからシティは少しづつチームの問題が浮かび上がっていった。

逆に自信を取り戻したスパーズは安定し、結果を残していった。

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この日グアルディオラはCBにオタメンディとコラロフを起用し、

ヤヤ・トゥーレをアンカーに抜擢。

やや守備にリスクを冒した起用に思えるが、確かな狙いがそこにはあった。

アウェイながらも勝ち点が欲しいポチェッティーノ監督は3バックを採用。

先日負傷し6週間の離脱が発表されたフェルトンゲンに代わり、

今季しばしば代役として出場を重ねているヴィンマーが先発した。

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前回の試合では、トッテナムがその高いインテンシティーを武器に

文字通りシティのゲームを「ぶち壊し」に行って粉砕した。

しかしこの試合において高いインテンシティーを見せたのはシティで、

前線から執拗なプレスをかけて中盤を制圧。

相手DFライン深くまでプレッシングをかけパスコースを塞ぐことで、

スパーズは効果的なビルドアップを行う事が出来なかった。

ただ、この試合驚きだったのがスパーズの”らしくなさ”であり、

良く言えば冷静、悪く言えば大人しかった。

(それでもウォーカーはフィジカルで敵を薙ぎ倒していたが)

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チーム全体のプレッシングがハマり、

スパーズ自体もあまり激しく戦わなかった事もあって試合を優位に運ぶシティ。

特にこの日のデ・ブライネは正に”創造主”たる活躍で、

低い位置、高い位置だろうとお構いなしに決定的なパスを連発。

90分足を止めず質の高いオフ・ザ・ボールを繰り返す創造者を

スパーズは誰も掴まえる事は出来ず、ピンチを作られ続けてしまった。

リズムを掴めないトッテナムの選手達は苛立ち、

軽率なミスからヴィンマー、厳しいタックルでダイアーが早々とイエロー。

失点と退場のリスクを踏まえてポチェッティーノは4バックへシステム変更、

重心をより低くする事で、何とかゲームの再建に乗り出した。

劣勢は続くがアルデルヴァイレルトやロリスが体を張ってブロックし

決定的なチャンスを失点に結びるける事は許さず、前半はスコアレスに。

チャンスを決めきれなかった事は悔やまれるものの、

前節0-4の敗戦のショックから立ち直り戦うシティには、拍手が送られた。

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前半は劣勢を強いられたポチェッティーノは早速手を打ち、

安定感に欠いたヴィンマーに代えソン・フンミンを後半立ち上がりに投入。

中盤での距離感をよりコンパクトにすると共に、

マイボール時の縦へのスピードをより強化。

これによりスパーズは前半以上に敵陣でボールを持つ時間が増え、

中盤におけるボール際で勝てる局面も増加した。

シティからすれば上出来な前半だっただけに、

何が何でも先制点が欲しい状況。

グアルディオラは基本的な戦術はそのままに、

選手間の距離をより近く、そして攻撃はワイドに幅を使ってボールを動かす。

”スターリングとサネの高速ラインブレイク+デ・ブライネの創造性”

というシティの誇る最強の武器を有効活用し、得点のチャンスを狙った。

そして歓喜の瞬間は訪れる。

僅かな守備のギャップを突き抜け出したサネには誰も追い付けず、

この日何度もピンチを防いできたロリスの判断ミスを誘う程、

デ・ブライネから放たれたロングパスは見事としか言い様が無かった。

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待望の先制点に選手達には安堵感に包まれたような、

自信を取り戻したかのような笑顔が戻った。

加入当初はフィット出来ず苦しんだサネは躍動感を取り戻し、

ペップの下で決してドリブルだけが武器ではない新境地を開拓している。

そして勢い止まない内に追加点。

ここでもまた名手ロリスらしからぬキャッチングミスから失点し、

シティがセーフティ・リードを奪って見せた。

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ラッキーな場面とはいえ、フィニッシュの場面まで精力的に走り続けた

デ・ブライネあってこそのゴールであり、

この日誰よりもチャンスを創り続けた選手のゴールは一層の価値があった。

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ペップの表情は明らかにポジティブな雰囲気が漂い始め、

懸命に指示を送る姿には安堵感すら漂っていた。

この試合だけは落とせない、そんな気迫の表情を見せた指揮官は、

ピッチ近くで何度も選手達に声を送り続けていた。

このまま勝てる____そんなスタジアムの雰囲気も出始めたが、

そう簡単に試合を手放す程、スパーズは脆いチームではなかった。

一瞬の気の緩みからマークを浮かせてしまったシティDFを見逃さず、

サイドエリアを強襲し1点を返す。

後半に入ってそれまで1本もシュートを放てなかったが、

この日初めての枠内シュートは強烈な反撃の狼煙となった。

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確かな闘志が帰ってきたスパーズの選手達は躍動し、

リードしていたはずのシティは徐々にバランスを失い始める。

元々フィジカルには劣るシティの中盤をデンベレとワニャマで

文字通り”潰す”事でシャットアウト。

敵陣でボールを回し、失えば即座に寄せて潰す。

ファウルをも厭わぬ程鮮烈なプレッシングはスパーズを輝かせた。

それでもこの日のシティが素晴らしかったのは、

攻撃において最後まで自分達を見失わなかった事に尽きるだろう。

マイボール時のパス交換にはリズムがあり、

いざスイッチが入れば敵陣の狭いスペースをダイレクトパスで攻略し、

ラスト30mを機動力を活かしたアタックで攻め続けた。

スパーズはあわやPKという危険な場面を何度か作られ、

その度にローズやアルデルヴァイレルトといった選手の

体を投げ出した懸命なブロックにスパーズは救われた。

後半途中にはまさに守備の要であったアルデルヴァイレルトが

ハムストリングの負傷で途中交代のアクシデント。

それでもスパーズは最後まで粘り強くゴールをプロテクトし、

組織的なプレッシングでボール奪取を重ねていく。

互いにチャンスを作り続け、試合のテンションは上がり続ける。

そして、次に訪れたチャンスを決めきったのは、スパーズだった。


”中と外”をスピーディかつ効果的に使い分けるトッテナムを

シティの中盤、そしてDF達は掴まえる事が出来なかった。

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巧みな駆け引きからもたらされた殊勲の同点ゴールは、

美しい軌道を描いてブラーボの手の先をかすめていった。

ほんの僅かな、ほんの小さな隙を瞬間的なスピードで攻略するのが

今季のスパーズの強力な武器である事に疑いは無く、

そしてその武器は、劣勢時でも遺憾なく発揮されていた。

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シティに傾きかけた、いやほぼ傾いていたゲームを戻したスパーズは

勢いそのままに逆転弾を狙いに行くが、

是が非でも勝利を欲したシティもまた、スパーズゴールを襲った。

デ・ブライネは90分通してハイクオリティなプレーを提供し、

最後の最後まで、スパーズは彼に効果的な対策を講ずる事は出来なかった。

対するスパーズも最後までインテンシティーを落とさず、

特にウォーカーとローズの両SBはこの試合の主役であり続けていた。

グアルディオラの戦術の上で、ウイングの突破と得点は”肝”とさえなる部分。

それだけに彼らの負担は非常に大きく、

実際彼らはスターリングとサネというスピードに長けた選手と渡りあい、

チャンスと見れば豪快なオーバーラップから完璧なクロスをお膳立て。

リーグ屈指のサイドバックと言っても差し支えない程、

彼等のプレーにはダイナミズムに溢れていた。

(失点に関わってしまった事は残念だが、

そもそも彼らのプレー次第では大量失点すら現実的な内容でもあった)

試合終盤には先日パルメイラスからシティへ加入したばかりの19歳、

ガブリエル・ジェズスも出場。

惜しいシュート場面もあったものの、オフサイドの判定で悔しい表情。

それでも確かな存在感を発揮した新戦力は、充分期待を抱かせた。

試合はそのまま2-2で終了し、勝ち点を分ける形に。

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確かに勝ち点だけを見れば平等な”1”であるものの、

シティからすれば勝てる試合を落としたに過ぎないだろう。

特にタイトル争いを行うライバル相手なだけにショックは大きく、

2点リードから追い付かれた事実を踏まえれば未だチームは混迷の最中にある。

その事を分かっているのは誰でもなく選手達であり、

試合後満足げな表情を見せるスパーズとは対照的に、

シティの選手達には失望と後悔の表情が垣間見られた。

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試合後グアルディオラは、

「我々は数多くのチャンスを逃してしまった。

それは時にエバートン相手に、そしてチェルシー相手にもだ。

しかしこの試合で選手達は最高のパフォーマンスをしてくれた。

その事に関して私は本当に幸せだよ。」とコメントした。

また今季タイトル争いからシティは脱落した、との発言を受け、

「私はリーグタイトルを諦めるつもりは全くない。全くね。」

とも発言し、未だタイトルを狙っており、チャンスはあると述べた。

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対してポチェッティーノは試合後のコメントで、

「勝ち点を獲れると最後まで信じ続けられた事が良かった。

たとえ自分達のパフォーマンスがベストでない時であってもね。

自分達が貫いた信条に非常に満足しているし、

自身の力を発揮できない時だからこそ、そういったモノが重要だと思っている」

と、最後まで戦い抜いて勝ち点を奪ったチームを褒め称えた。

また負傷交代をしたアルデルヴァイレルトにも言及し、

幸い大きな問題にはならなそうだね、としている。

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スパーズはこれで順位をまた1つ上げ、単独2位へ浮上。

苦しみながらもシティ相手に2点差を追いつけた事は自信になるはずで、

取り分け相手がペップ・グアルディオラなのだから仕方がない。

対照的にシティは未だ改善しなくてはいけない問題を抱えており、

とにかく失点が多い守備組織を再建する事が急務なのは明らかだ。

今回のように勝てる試合をライバル相手に落としていては、

長いシーズンとはいえリーグタイトルには手が届かないだろう。

負けなかった、と取るには惜しい試合内容であったし、

事実勝利目前まで行ったのだから。

グアルディラの船旅は未だ前途多難かもしれないが、

それでもデ・ブライネの放つ輝き、そして新加入ジェズスが見せた期待は

今後のシーズンを大きく左右する重要なファクターだろう。

チームがペップの哲学をより高い質で体現できれば、

期待を裏切らない”最高”のチームが出来上がるはずなのだ。

ペップのシティは、まだ終わっていない。

この記事を書いた人

Matthew Matthew

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