チェルシー 1
41′ D.コスタ
ミドルズブラ 0
21日、プレミアリーグ第12節が行われ、
チェルシー vs ミドルズブラがリバーサイドスタジアムで行われた。
チェルシーはここまで破竹の5連勝。
5試合16得点無失点と最高の結果を出し続けており、
10月の最優秀選手賞にアザール、監督賞にコンテが選手された。
しかし活躍も相まって代表ウィークでは15人もの選手が代表として
チームを離れてしまい、選手のコンディション状態が懸念されていた。
ミドルズブラは今季昇格組ながらも粘り強い守備と鋭いカウンターで戦い、
アーセナルやマンチェスター・シティらと引き分けるなど好勝負を演じている。
とはいえ攻撃はカウンターと個人技頼りで、
A.トラオレとG.ラミレスの突破が凌がれると途端に脆さが出てしまっている。
ホームのボロ(ミドルズブラの愛称)は前節シティ戦とは打って変わり、
高い位置からも果敢にプレスを仕掛けてくる。
献身的なチェイスからのショートカウンターを狙い、
立ち上がりから勝利への意欲を見せた。
序盤こそ相手に主導権を譲る場面もあったチェルシーだが、
相手のプレスにも柔軟に対応し、相手を釣り出した瞬間に
サイドチェンジや裏へのロングパスなど上手くリズムを構築していく。
Pedro… pic.twitter.com/yycLTvO5q7
— Axel-SMITH (@FantaskickAxel) 2016年11月22日
アザールやD.コスタ、負傷の影響が懸念されていた2人に合わせ、
この日のペドロはビルドアップにチャンスメイクにフィニッシュと躍動。
DFライン手前でフリックしてはフルスプリントでライン裏を強襲し、
何度もチャンスに関わり続けた。
D.COSTA pic.twitter.com/FBGdXFa6dJ
— Axel-SMITH (@FantaskickAxel) 2016年11月22日
攻勢をかけるも先制点が奪えないチェルシー。
前半もこのままスコアレスかと思われた矢先、
CKのクリアミスをD.コスタが誰よりも早く反応しゴールゲット。
ボロのDF達は圧倒的数的有利の状況だったが誰もがボールを見失い、
気が付いた時には既に手遅れだった。
チャンスを作りながらも、最後まで体を投げ出すボロ相手になかなか奪えなかった
先制点を、シーズン10点目のD.コスタが奪い取った。
そのまま前半は終了し、スコアは1-0で折り返した。
アグレッシブに戦いながらも、奪われてしまった先制点____
ミドルズブラの選手達は、後半に入り更にエネルギーを試合へ注ぐ。
だが、コンテはそんなホームチームのエネルギーを受け流すのではなく、
更なるエネルギーを以てねじ伏せる事を選択した。
ミドルズブラの前線、A.トラオレとラミレスは単独で違いを作り出す。
どれだけ強固なブロックを敷こうとも、
彼らの一瞬の閃きでそれは何ら意味も成さなくなる。
そこでコンテは中盤を制圧、相手陣内へ押し込むことで
トラオレ、ラミレスを敵陣深くに押し込むことを目指した。
”全員守備”が徹底されたボロだからこそ、この策は見事にハマり
ミドルズブラ自慢のアタッカー陣は守備に奔走、深い位置でのプレーを余儀なくされる。
そして主導権を握ったチェルシーが、コンテがそのまま黙っている訳が無かった。
Pedoro 2 pic.twitter.com/aKx7sOkYUj
— Axel-SMITH (@FantaskickAxel) 2016年11月22日
縦に入ったパスを悉く奪い返し、前線へ素早くフィード。
シンプルながらも的確かつ強力なプレーでチャンスを作り、
追加点を奪う事は時間の問題にさえ感じられた。
が、それでも諦めないのがミドルズブラだ。
先制点を奪われようと、自陣に押し込まれようと、
彼らは試合を投げ出さなかった。
それは前節同じような展開でシティと戦いながらも、
土壇場で落ち着き引き分けた事から得た自信なのかもしれない。
しかしそれ以上に、リバーサイドスタジアムのサポーター達は
選手の為に声を上げ、拍手を送り、歌い続けていた。
NEGRED pic.twitter.com/EHb7a1Szve
— Axel-SMITH (@FantaskickAxel) 2016年11月22日
次第に疲れの表情が見え始めたのはチェルシーの方で、
らしくないミスが見られ始めるとボロは息を吹き返した。
一瞬の隙さえ見つければミドルズブラの選手はフルスプリントでゴールへ向かう。
90分通して戦う姿勢を見え続けたボロの選手達は恰好よく、
また称賛されるべき姿だったはずだ。
(彼らが昇格組である事を忘れてしまう程、彼らは常に勇敢だった)
チェルシーが受けた枠内シュートはこれ1本のみ。
しかしそれにしては、余りにも果敢で、美しいシュートだった。
このシュートが決まっていれば….
疲労が表情に出始めていたチェルシーは、首位ではなかったかもしれない。
お互いゴールをめざし続け、打ち合った試合は終了し、
チェルシーがリーグ戦6連勝で首位へ浮上した。
相手の出方に惑わされず、安定したリズムで試合をコントロールした。
今のチェルシーには、苦しい時間でも耐え抜き、
また自分達のリズムを取り戻せるだけのベースがしっかりと出来上がった。
激しさと強かさを以て試合に臨むコンテの戦術はチームに浸透し、
単独首位に立つという最高の結果を導き出した。
彼の成し遂げた成果は称賛されるべきであり、
また我々チェルシーのファンは彼に最大限の拍手を送るべきだろう。
惜しくも、ミドルズブラは敗れてしまった。
しかし、彼らの未来は決して暗いものではないはずだ。
チーム全体がカランカ指揮の下団結し、
誰もが守備に走り、勝利の為にハードワークを行っている。
シュートに対して躊躇せず体を投げ出し続けたDFラインは強固で、
デ・ローン、クレイトン、フォーショウのトライングルは
中盤でのアグレッシブさを強調させていた。
今はまだ”個”での崩しとフィニッシュに依存した形になっており、
ネグレドが度々孤立し試合から消えてしまう時間が多いものの、
もしトラオレ、ラミレスとの3トップに連携と機能性が備われば
ジャイアントキリングは不可能な話では決してないだろう。
兎にも角にも、我々は首位に立った。
アーセナルに3-0で敗れた時には立ちすくんだし、
まだ栄光を掴める日は遠いのかもしれない…とさえ思えてしまった。
しかしそんな状況でもコンテと選手は諦めず、
勝利の為に前へ進んでくれた。
「首位」
シティも、アーセナルも、トッテナムも、上の順位ではない。
我々が首位に立ったのだ。
今はそれを祝福し、選手達に、スタッフに拍手を送ろう。
そしてまた、次の試合を共に戦おう。
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Matthew |