○アーセナル vs マンチェスター・ユナイテッド
__11.19 Old Trafford
アーセナル
ー勝ち点24 (2位) 7勝3分1敗 GD+13
マンチェスター・ユナイテッド
ー勝ち点18 (6位) 5勝3分3敗 GD+3
2位と6位の上位対決ーーーという言葉だけでは語れない、
プレミアを常に彩ってきた名門同士の一戦が行われる。
アーセナルは前節、首位に立つチャンスを得た状態で
伝統のノース・ロンドン・ダービーに臨んだもののドロー。
首位争いで後れを取ってしまっており、タイトル争いに食らいつく為にも
ユナイテッドと敵地で戦うとはいえ負けられない。
しかしチームの攻撃で中心的な役割を担っているサンチェスは代表での
長距離移動がネックでコンディションに懸念があり、
また主力の多くが代表戦をこなした事で疲労が抜け切れていない。
布陣はこれまでと同じようになるだろうが、
運動量をベースとした攻守をチーム戦術として取り組んでいる以上、
試合の出来はコンディションに大きく左右されそうだ。
ユナイテッドを取り巻く現状は決して良くは無い。
大きな期待を以て迎えられた新シーズンはここまで6位と
タイトル争いはおろかCL出場権すら危うい状態。
ルーニーの代表での泥酔問題を始めモウリーニョの解任騒動など
メディアは連日ユナイテッドに関して大きな注目を浴びせており、
試合だけに集中できる環境もままならない状態だ。
とはいえ、ポグバ、イブラヒモビッチを始め個人で打開できる選手は多く、
経験豊富な人材を抱えているのも確か。
これまでリーグ戦フル出場を続けていたイブラは今節出場停止。
キャリックやマタなどチームに落ち着きをもたらせる人材を起用するか、
もしくは強引に勝利を狙いに行く起用をしていくのか。
先発起用の選手にモウリーニョの狙いが大きく反映されそうだ。
○リバプール vs サウサンプトン
__11.20 Marry’s Stadium
リバプール
ー勝ち点26 (1位) 8勝2分1敗 GD+16
サウサンプトン
ー勝ち点13 (10位) 3勝4分4敗 GD±0
目下連戦連勝で単独首位に立つリバプール。
前節ではワトフォード相手に6-1と圧巻の勝利を挙げ、
悲願のプレミアリーグ優勝に向け前進している。
クロップ戦術が浸透した今季は圧倒的な攻撃力を武器に勝ち、
アーセナルやチェルシー相手にも勝利を挙げた事で実力を証明している。
懸念といえば攻撃力を代償とした失点数の多さで、11試合14失点。
”取られても取り返す”を地で行くリバプールだが、
ゲーゲン・プレスを破られた時のブロック構築が今後の鍵になりそうだ。
対するホームのセインツ。
前節、降格圏をさまようハル・シティにまさかの敗北を喫し10位へ後退。
指揮官クーマンをエヴァートンに引き抜かれ、エース・ペッレも移籍。
チーム再構築を任された指揮官クロード・ピュエルの船旅は、
決して上手く行っているとは言い難い。
フォンテ、ファン・ダイクの織り成すCBラインはリーグでも屈指で、
ロング、デイヴィス、タディッチなど実力者は揃っているだけに、
首位撃破となれば一気に勢いがもたらされる事は間違いなく、
またピュエル自身、それを狙いにくるはずだ。
○トッテナム・ホットスパー vs ウエスト・ハム
__11.20 White Hart Lane
トッテナム・ホットスパー
ー勝ち点18 (5位) 5勝6分無敗 GD+3
ウエスト・ハム
ー勝ち点11 (17位) 3勝2分6敗 GD-9
昨季なら熱狂したかもしれない好カードだったかもしれないが、
今シーズンの彼らは今一つ勢いに乗りきれない。
「来季こそ」と意気込んで臨んだスパーズは勝ちきれずポイントを取りこぼし、
ハマーズに至っては降格圏争いを演じる大失態を演じている。
トッテナムは今季リーグ戦11試合を無敗でキープしており、
チームの土台ともいえる”堅守”をより明確なものに。
11試合6失点という少なさは今季リーグでダントツ(2位はチェルシーの9失点)。
強みはより確かなモノにしているが、彼らが抱える大きな問題は
”得点力の欠如”というポイント。
ショートパスを主体とし、両SBがアグレッシヴに攻め上がるスタイルは
どのチームをも圧倒するだけの攻撃力を備えるものの、
とにかくフィニッシュが決めきれない。
今季挙げた11試合15得点はスカッドを踏まえれば有り得ない数字。
(個人能力に依存しているユナイテッドすら16得点)
エース・ケインが昨季よろしく中々序盤からゴールを奪えず、
ケインの代役を担うとされていた新加入ヤンセンもPKでのゴールばかり。
ポチェッティーノが築き上げたスタイルは圧倒するが勝てない、
そんなジレンマに陥ってしまっている。
ウエスト・ハムに関しては過去の記事でも触れたように、
主力の負傷離脱&コンディション不良であまりに不甲斐ない結果に終始。
新スタジアム移転に伴う数多くのトラブルもあり、
ハマーズはチーム内外が慌ただしい状況に包まれている。
そんな中でもコンスタントに結果を出しているのがエース・パイェ。
9試合出場で1ゴール4アシストと1人気を吐いている状態で、
彼自身EUROの疲れと負傷で苦しい中、奮闘を続けている。
(それこそ、昨季のブレイクを踏まえマークが厳しい上でもこれは流石)
スパーズからすればチームを立て直す勝利を上げたい所で、
ハマーズにしてみれば上位相手に好戦を演じて上昇気流に乗りたい。
チームの状態を考えればスパーズ大勝の予感もするが。果たして…。
○チェルシー vs ミドルズブラ
__11.21 The Riverside Stadium
チェルシー
ー勝ち点25 (2位) 8勝1分2敗 GD+17
ミドルズブラ
ー勝ち点11 (15位) 2勝5分4敗 GD-2
大きな失望を与えてしまった昨シーズンのチェルシー。
コンテ就任と共に新たなサイクルに突入した今季、
開幕3連勝を飾ったものの、4節スウォンジーで引き分けると、
続くリバプールに1-2で競り負け状況は一変。
”お得意様”のアーセナル相手に0-3と内容でも結果でも完敗し、
コンテはチームの戦術を根底から覆す「3-4-3システム」に変更。
欧州カップ戦が無く日程に恵まれた事から急速に戦術は浸透し、
システム変更後は5連勝16得点無失点と完璧な結果を残している。
レスター、ユナイテッド、エヴァートンと上位相手に大勝した事で
チーム全体には自信とエネルギーに溢れている。
懸念は代表ウィークを挟んだことでコンディションが落ちてしまった事。
多国籍なメンバーを揃えている事からスカッドには疲れが溜まっており、
攻守にアグレッシブさを求めるスタイルだからこそ、
これから数週間をどう上手く乗り越えるかが重要になるはずだ。
ボロの愛称で知られる昇格組のミドルズブラ。
順位は15位なものの、シティ、アーセナル、ウエスト・ハムと
強豪相手に引き分けを演じており、失点数も11試合で12。
昇格組とは思えない程堅守なブロックを築いている。
指揮官アイトール・カランカはかつてレアル・マドリーの
アシスタントコーチとしてモウリーニョに師事。
モウリーニョの色を濃く感じる堅牢なブロックが特徴的で、
型にハマった時にはシュートチャンスすら作らせないほど。
V.バルデス、ダウニング、ネグレドなど経験と実力を備える人材も多く、
元ユナイテッドDFのファビオ、ローン加入中のチェンバースなど
将来を期待される若手もいる事から競争も生まれている。
課題の得点力を克服すれば中位進出も期待できるところだ。
結果を予想すればチェルシー優位は絶対的。
が、そんな状況で力を発揮してきたのが今季のミドルズブラなだけに、
足元を掬われかねないリスクも秘めている。
先制点をどちらが奪うかでゲーム内容は大きく変わるはずで、
それだけに早い時間帯から両チーム激しく動く可能性が高い。
以上、色々と考えている内に長くなってしまったピックアップ・プレビュー(笑)。
(これでも削ったんですよ…!)
しかも気付けばあと30分でユナイテッド×アーセナル戦が始まる始末…。
シティに関しては触れていませんが、まぁパレスには勝ちますよね?って事で。
見所のある試合が第12節に詰まっているので、
上位陣の順位も大きく変動するかもしれませんね。
ではでは、皆様でこれからもプレミアを楽しみましょう!
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Matthew |