アーセナル 0
ミドルスブラ 0
現地時間22日にプレミアリーグ第9節が行われ、
アーセナルはホームで昇格組ミドルスブラと対戦した。
先日のCLルドゴレツ戦で6-0と快勝。
エジルが自身キャリア初のハットトリックを達成するなど、
非常に良いチーム状態で試合に臨む。
またアーセナルは試合前の時点でリーグ6連勝、
首位シティと勝ち点で並ぶなど、首位奪取に向け負けられない試合だ。
対するミドルスブラは17位。
降格圏18位ストークと勝ち点で並んでおり油断できない状況だ。
カランカ指揮官はチームの重心を低く設定し、
粘り強く勝ち点を狙いには行っているものの結果は伴わず。
攻撃のメソッドが確立できていない点からも、降格が懸念されている。
大方の予想通り、主導権はアーセナルが握る。
ただこの日のアーセナルはパスは回せるが、
アタッキングサードへの侵入が普段以上に消極的だった。
というのも、ミドルスブラは4-5-1のシステムで臨み、
中央のスペースを極端に消すような戦術を用いてきた。
これによりアーセナルはプレスを避けるようにサイドへ展開し、
クロスを送っても跳ね返され、ドリブルで仕掛けても数的不利で潰された。
アーセナルにとっては守備の懸念は少ないものの、
得点の匂いがしない、ネガティヴな時間が続く。
この日ボランチしたエルネニーもチャンスを作れず。
リンクマンとして幅広い動きを行ったものの、
チームに推進力とエネルギーを与える事は出来なかった。
ミドルスブラのカウンターへの対応に苦戦する場面もあり、
守備時、特にネガティヴ・トランジション時の脆さは感じ取れた。
この試合コクランとのボランチ起用だったものの、
ヴェンゲルが期待したジャカの代わりを務めるのは荷が重すぎたかもしれない。
前半はアーセナルが攻めあぐね、
ミドルスブラがカウンターからチャンスを創出という展開が続く。
チャンスは作れても、決定機には至らない。
むしろボールロスト後の落胆が大きく、
チームにこれまでの試合で感じた勢いは見えなかった。
ズルズルと悪い雰囲気が出始め、
アーセナルは得点の匂いよりも、
むしろ失点してしまうような匂いすらしている。
ミドルスブラの方が「やるべき事」「やれる事」がはっきりしており、
プレーの判断もスピードもアーセナルより上だった。
(精度は伴わずとも、元々守備の強度が低いガナーズ相手には有効だった)
後半も立ち上がりからアーセナルの時間が続くも、
お得意の中央・サイドの流動的な攻撃は鳴りを潜めてしまう。
カランカ指揮官は徹底的に中央を埋め、
失点のリスクを最大限まで減らす。
アーセナルはサンチェス、エジルらを中心にボールを回すも、
中央バイタルエリアに入った途端に最低2人のプレスを受ける。
ガナーズ前線のイウォビ、ウォルコットを含めた4人は
これまでの試合では感じられなかった程の「閉塞感」を受けた。
得点のチャンスこそ作れてはいるものの、
あと少しの所で決めきれない。
敵陣深くで得たFKもGKヴィクトル・バルデスに阻まれ、
最後までミドルスブラを攻略する事は出来なかった。
シュートまでは持ち込めるが、点が入らない…。
むしろ決定的なチャンスは、数自体は少ないながらも
ミドルスブラの方が作り出せていた。
コシエールニー、ベジェリン、チェフらの攻守が無ければ
失点していたのは確実だっただろう。
焦れる展開が最後まで続きタイムアップ。
試合を終えてみれば、
シュート本数アーセナル9本、ミドルスブラは11本。
(うち枠内がアーセナル5、ミドルスブラ4)
アーセナルはボール保持率75%、パス総数704、
パス成功率85%と素晴らしい数字さえ出せていた。
90分を通して良いフットボールが出来たアーセナルだが、
リーグ順位の状況を考えれば最悪に近い結果となった。
暫定でリーグ首位に立ったものの、
喜ぶファンは極僅かだろう。
勝てる試合だったと誰もが思ったはずで、
作り出したチャンスの数からすれば勝って当然だった。
エリア内での決定力に長け、狭いエリアでも起点となれる
FWジルーの不在も残念に思えた。
(練習には復帰したらしいが、出場は先になる見込み)
ヴェンゲルの誕生日を祝えなかったアーセナル。
この試合で、チームに暗い雰囲気が出ないといいが….。
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Matthew |