現地時間24日、プレミアリーグ第6節が行われ、
アーセナルがホームにチェルシーを迎え入れ、
”ビッグロンドンダービー”となった。
アーセナルはここ5年間でチェルシーに勝った事がなく、
低迷を極めた昨季のチェルシーにさえダブルをくらうなど、
相性の悪さが露呈していた。
またこの日は元アーセナルのセスク・ファブレガスが今季初先発。
先日レスター戦で見せた好パフォーマンスを受けての抜擢。
チェルシーは大きな期待をもってこの試合に臨んだ。
しかし試合が始まってみればアーセナルが主導権を握り、
また試合巧者ぶりを見せたのも、ホームチームだった。
0-3。
嫌な負け方をしてしまった。
勝利へのモチベーションも、
チェルシーの強みだった「勝負強さ」や「強かさ」も無かった。
前半早々、ケーヒルのまたもや軽率なプレーから失点し、
チームはそのミスに引きずられるように消極的に。
選手の動きにキレはなく、
オフザボールには積極性の欠片もなかった。
ケーヒルとD.ルイスの両CBはアーセナルのスピードある攻撃と
アイディアに対して四苦八苦。
試合が終了する最後までアーセナルのリズムに対応できなかった。
先発したセスクも、オスカールと同じように2ライン間に位置取りするも
ビルドアップの精度が伴わず孤立。
元々相手を背負ってプレーして生きる選手でない事からも、
試合から消えてしまう時間の方が多かった。
アザール、ウィリアンら両サイドから決定機を狙うも、
ベジェリンの対応の上手さも有り、
チェルシーは右サイドからの攻撃が生命線だった。
しかしイバノビッチは判断が遅く、
むしろアーセナルからプレスの狙い目に。
ウィリアンも個人技で局面打開する場面もあったものの、
アタッキングサードでの精度は今一つだった。
この日のチェルシーに「システマチックさ」は無く、
また個人のミスがあまりにも多かった。
それもミスの多くがチャレンジしてのものではなく、
後ろ向きなプレーを選択したうえでのミスばかり。
自分から、試合の流れを放棄するかのようだった。
これほどまでに苦悩するコンテを見た事はなかった。
ユベントスでも、イタリア代表でも、
いつだって彼の表情からは「熱情」を感じたものだ。
しかし今日の彼には、誰が見ても悲壮感が漂っていた。
今後のチームの勢いを左右しかねない試合で見せた、
CBの軽率なミス、モチベーションを感じない選手の動き、
そして何より、試合を取り戻そうとする気概。
そのすべてに、悲しんでいたように思えた。
後半途中から3-4-3にシステムを変更したものの、
既に選手に勝利への活欲はなく、活路は見出せない。
コンテがCBに必ず求めるであろう、集中力。
それを欠いたCBを、彼は起用しなくてはならない。
チームの流れを変える為には、
まず選手達の根幹から見直す必要すら感じられる。
それは勝利への姿勢であり、チームとしての誇りだ。
Matthew |