17日に行われたプレミアリーグ第5節。
アーセナルは敵地でハルと対戦し、4-1と快勝した。
選手層とクラブの規模を考えれば妥当な結果であり、
試合の主導権もほぼ常にアーセナル。
ガナーズの速いテンポのパスワークにハルはついていけなかった。
確かに攻撃面での出来を考えればほぼパーフェクトな結果だ。
先制点を奪っただけでなく、素早い攻撃リズムから
相手に退場者まで出すことに成功した。
エジルのコンディションは未だ上がってはいないようだが、
開幕時に体の重そうなサンチェスは回復に向かっている印象だ。
相変わらずカソルラとイウォビは溌剌とプレーしていたし、
新戦力のジャカは試合終了間際に見事なロングシュートまで披露した。
しかし、守備時の印象は攻撃時ほど良くない。
ハルからはシンプルな形でチャンスを作られ続け、
PA内で危ない場面は何度もあった。
チェフやコシエールニーらの的確な判断に救われたものの、
大量失点をしていてもおかしくはなかったはずだ。
ハルとの試合で顕著だったのは、
イウォビとモンレアルが組む左サイドの守備だ。
両者の関係性は攻撃時、とりわけビルドアップに優れるが、
守備時になればむしろ悪いとしか言い様がない。
イウォビは元々ウイング気質で、
フィジカルを活かしたタックルは良いもののポジショニングが雑。
ボールウォッチャーになりやすく、
周囲で動き出す相手のオフザボールは見送るばかりだった。
コシエールニーがそのカバーに回りなんとか守ってはいたが、
試合終了まで左サイドのバランスが改善される事はなかった。
ハルはそれを理解していた為か執拗に同サイドを攻め立て、
またそれがしっかりとチャンスに繋がった。
今後CLでも躍進を狙うのであれば、見過ごせない点だろう。
中盤の守備もコクランに依存しすぎている点も懸念材料。
カソルラやラムジーらは元々攻撃的なアタッカータイプで、
強靭なフィジカルを備えている訳でもない。
それだけに、ジャカとの起用が望ましいが、
ジャカはヴェンゲルから全幅の信頼を寄せられているとは言えず、
未だ途中出場が多い状況だ。
ジャカも攻撃的な選手ではあるが、ボルシアMGではアンカーを担うなど
自陣バイタルエリアでのポジショニングやプレスは経験済み。
今後もコンスタントにジャカとコクランの同時期用を増やし、
攻守のバランスをより調整していきたいところだ。
ビルドアップのスピード、精確性、流動性は流石。
FW、MF、DFとビッグネームを揃えるだけに、
今季のアーセナルにかかる期待は小さくない。
ヴェンゲルとアーセナルの契約も今年がラストシーズンで、
この出来次第では指揮官交代も現実的なプランだろう。
左サイドのバランス、ボランチの起用法が、
その結果に大きく影響していくはずだ。
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Matthew |