今季のエヴァートンは昨季から大きく変わった。
新指揮官にサウサンプトンでも実績を残したクーマンを招聘、
(違約金を満額払った上での引き抜き)
そしてSDにレスター優勝の立役者となった名スカウト、
スティーヴ・ウォルシュを迎え入れた。
2月に就任した新オーナーによってもたらされた潤沢な資金。
その使い道を決して間違えず、
まずはクラブの根幹をなす部分に投資したのだ。
若手起用と育成をしつつ結果を残し続けたクーマン、
そして才能と適正を見極め、
チームに最適な人材を探すウォルシュは抜群の相性さえ感じる。
そして実際に、エヴァートンの夏は素晴らしいものになった。
GKハワードが抜けた穴には元オランダ代表のステケレンブルフ、
逸材ストーンズを引き抜かれたCBには、
EUROでもウェールズ代表を主将として牽引したA.ウィリアムズ。
そして昨季降格したアストン・ビラで一人気を吐いていたMFグイェ、
ウォルシュがレスター時代から興味を持っていたというMFボラシーなど
各ポジションに即戦力を次々と獲得していったのだ。
そして何より、主力の退団をストーンズに抑え、
ルカクやバークリーを慰留できたフロントは称賛されて然るべきだろう。
DFラインは高年齢ながらも経験豊富な選手が多く、
試合毎の安定感は素晴らしいものがある。
昨季はELとの二足の草鞋に苦しみ、
主力のコンディション調整不足により11位と低迷。
それだけに守備組織の改善は1つのポイントだったが、
クーマンは見事改善に成功。
ウィリアムズの加入もあり、空中・対人共に強いDFラインを構築した。
そして中盤はグイェやボラシーらがダイナミズムを注入、
ミララスがサイドから決定的なチャンスを創造し、
重鎮バリーが経験と熱さをもたらす理想的な陣形が整った。
FWに関しても今ではプレミア屈指のFWルカク、
そして中盤だけでなくFWとしても開花しはじめたデウロフェウ。
昨季11位に低迷していたとは信じられないスカッドが出来あがった。
新生エヴァートンの実力は、すぐに結果に表れた。
第4節を終えた時点で3勝1分け、勝ち点10で3位。
首位とは僅か2ポイント差であり、
なにより失点はリーグ最少の「2」。
かつての代名詞の堅守が蘇っている。
若手とベテランがバランスよくチームを構成し、
決して勢いだけでは語れない強さをエヴァートンにはある。
ビッグ6、そして昨季王者のレスターを脅かすのは時間の問題だ。
ウォルシュを迎え入れた今、
エヴァートンは来冬にも魅力的な選手を連れてくる可能性がある。
フロントと現場が一体となって戦う姿勢はプレミア随一。
今年は彼らの年になるかもれないとさえ、期待してしまう。
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Matthew |