ポルトガルが劇的な初優勝を飾ったEURO2016、数多くの素晴らしいゴールと興奮の中、大会が幕を閉じた。
今大会は初出場国も多く、またそういった国々が多くのドラマを起こした。
大会前には「出場国が増えて質が落ちる」などといった意見もあったが、
決してそんな事はなかったと、私自身は感じている。
今大会のイングランド代表は前評判が異常なまでに高かった。
というのも、EURO2016予選において10戦全勝と圧倒的な結果を出し、本選出場を遂げたのだ。
しかし、いざ大会が始まるとチームを取り巻く状況は一変した。
GL初戦のロシア戦では先制しながらも試合終了間際に失点し1-1のドロー。
続く第2戦ウェールズ代表では辛くも2-1で勝利したものの、
最終戦スロバキアではスコアレスドロー、グループB2位で決勝トーナメントへと進む。
決勝トーナメント・ラウンド16の相手も決して悪くない相手だった。
国際大会初出場のアイスランドであり、イングランド優勢なのは確定的。
しかし、イングランドはまたもや先制しながらも試合をコントロール出来ず2失点、逆転での敗北を喫し大会を去った。
ではなぜこのような結果になってしまったのか?
個人的には、ロイ・ホジソン監督が最後までチーム構成の最適解を見出せなかった事だろう。
各選手の役割、複数のプラン、選手個々に依存しないアタックスタイル。
多くの事が、監督を通してチームに浸透させていたとは思えなかった。
特に、両SBを高く上げて攻撃に厚みを加えた反面、
ブロックの敷き方と対人守備においては常にリスクを抱えていた。
チェルシーのような堅固なブロックも、
シティが繰り出すパス&ムーヴの連動性も、
トッテナムが持つショートパスとドリブルを織り交ぜたリズムも、
レスターの”スタイル”としてのカウンターも出せなかった。
とはいえ、代表メンバーの多くが若く、今後活躍が楽しみな選手も非常に多い。
ホジソンの監督退任も発表された以上、どんな新指揮官の下チームが再構築されるかが楽しみだ。
2年後のロシアW杯に向けた戦いは既に始まっている。
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Matthew |