誰よりもピッチで声を上げ、チームを鼓舞し勝利へ導く。
ゴール前では誰よりも敵に厳しく寄せ、簡単にシュートを打たせない。
重要な試合ではセットプレーから多くの得点を決め、
何度も厳しい状況を変えては勝利を手繰り寄せる。
「堅固」と称されるチェルシーのDFラインには、常に彼の姿があった。
ジョン・テリーは1980年生まれの現在35歳。
選手としてのピークは迎えているものの、今年5月にクラブと契約を更新、
2016-17シーズンもチェルシーの主将としてプレーする。
彼は少年時代からチェルシーの下部組織でプレーし、
若くしてトップチームの主力に定着。
2004-05シーズンから主将を任され、
チームを50年振りのプレミアリーグタイトル、リーグ杯優勝に貢献した。
この年はクラブ創立100周年であり、若い彼には主将は重責だとの意見も多かった。
が、彼はチームをプレミアでも過去最強とさえ言われるほど堅固なDFラインを構築し、
見事なまでに多くの人々の期待に応えてみせた。
また彼はこのシーズン安定したプレーを国内外で披露し、
チャンピオンズリーグ最優秀DFを受賞している。
その後も2005年のリーグ連覇を始め多くのタイトルをチェルシーで獲得、
「良いとこまで行くが優勝できないチーム」と揶揄されたチェルシーに、
数多くのタイトルと名誉をもたらし続けている。
そんな彼だが、2007-08シーズンのCL決勝、対マンチェスター・ユナイテッドの
PK戦で5人目のキッカーを務めるも、足元のスリップもあり外してしまった。
結果チームも敗北し、「決めれば優勝」という状況で外してしまったテリーには批判も殺到した。
しかしチームの誰しもが彼を擁護し、共に多くの修羅場を抜けてきた
盟友ランパードからは「彼がいなければそもそも決勝に僕達はいない」と称えられた。
そして選手としてのピークを迎え、「終わった選手」と烙印を押されても奮闘し、
2014-15シーズンにはチームをリーグ優勝へと導いた。
チームの誰からも信頼され、
誰よりもチームを鼓舞し、
チームを勝利へ導き続けてきた彼はまだ、戦いを終えていない。
チームの歴史を彩ってきた彼の姿を、今シーズンも楽しみたい。
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Matthew |